withコロナ時代、飲食店の新たな試み (Vol.162)

GTOプロジェクトとして、県庁前で定期的に開催されているケータリングカーによる昼食販売会

まきばプロジェクトでは、伊勢崎を拠点に街づくりに関する様々な活動を展開しています。その目的は、個人や地域が抱える課題や問題を、解決・改善するための契機醸成。現在、新型コロナウイルスの影響により、苦境に立たされた地域の飲食店を応援する活動に力を入れています。外出自粛が叫ばれる中、テイクアウトやデリバリーに舵を切り、新たな活路を見出そうと奔走する飲食店は少なくありません。

テイクアウトのように、弁当や惣菜などを、家庭や職場などへ持ち帰り、そのまま食す飲食形態を中食と言います。新たな経営業態と捉えた方も多いかもしれませんが、実はコロナ以前より中食の市場規模は年々拡大の傾向にありました。すでに10兆円に到達しているとも言われ、中食のブームメントは緩やかに沸き起こっています。人は生きている限り、飲食を必要とします。消費規模自体は変化していないのかもしれません。では何が変わったのか。外出自粛の呼び掛けによって飲食の需要は、「外から内へ」と移動しました。おうちごはんを見直した方も多いでしょう。 私たちの価値観も大きく変化しました。女性の社会進出や高齢世帯の増加の社会背景から見ても、中食需要はさらに高まると考えています。

そこで注目するのが「ケータリングカー」と呼ばれる移動販売車での営業形態。需要ある所に自ら出向くことができます。現在、群馬県は飲食店のテイクアウトを積極的に消費していく取り組み(GTOプロジェクト)を行なっており、県庁前ではケータリングカーでの昼食販売が実施されています。まきばプロジェクトも、その立ち上げから運営まで、行政と飲食店と一緒になって取り組んできました。

官公庁エリアに潜在需要を見出し、瞬時に対応できたのは、社会全体で起こる需要の移動、価値観の変化に合わせ、当事者自らが柔軟に対応したからでしょう。情熱と行動力のある行政と飲食店とを繋ぎ、GTOプロジェクトの実現に関われたことは大きな喜びです。

「withコロナ時代、自分と関わる人たちの生活を楽しくしたい!」 そんな思いを胸に、今後も飲食店の新たな試みを精一杯応援していきたいと考えています。

「まきばプロジェクト」主宰
秋山 麻紀

【略歴】81年茨城県出身。地域や住民が抱える課題解決手段として、県内各地でイベントやセミナーの企画運営を行うほか、企業や行政と連携したソーシャルアクションに注力。県の政策や方針決定過程にも広く参画し2017年度、「ぐんま輝く女性チャレンジ賞」知事表彰を受賞。伊勢崎在住

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