前橋出身・お笑い芸人 しゅんしゅんクリニックP さん

しゅんしゅんクリニックP
「実際、外科医はこんな手つきしないんですけどね」と、両手をあげて得意の決めポーズ「シュッ」をするしゅんしゅんクリニックPさん=凱旋ライブを行ったけやきウォーク前橋の楽屋にて

「ダメだったらやめればいい(笑)。お笑いに限らず色んなことに挑戦したい」

「整形外科医はチャラいやつ多い」「胸ポケットボールペンでパンパン」―医師や看護師などを題材にした医療あるあるネタでブレイク中のピン芸人・しゅんしゅんクリニックPさん。
3歳から、群大医学部を卒業するまでの約20年間を前橋で過ごし、現在は医師免許を持つ異色の芸人として各地でのイベントや学園祭などに出演する。持ちネタを披露する一方、昨年はAKBグループのプロデューサー・秋元康氏と吉本興業とのコラボ企画で乃木坂、欅(けやき)坂に続く坂道シリーズ第3弾として結成したアイドルグループ・吉本坂46のメンバーに選出された。
さらに、今春は宣伝大使を務めた医療ドラマに俳優として出演するなど多方面で活躍。先月30日、前橋で行った初の凱旋お笑いライブでは、鉄板ネタ「ヘイヘイドクター」や、アレンジした「ヘイヘイぐんま」などを披露し、会場に集まった観客たちを大いに沸かせた。地元での初ステージを踏み、さらなる飛躍を目指す“しゅんP”さんに、医者との両立や今後の目標などについて聞いた。

「医療あるある」リズムネタで人気急上昇中

リアリティー大切に、でもディスり過ぎない

Q前橋での初凱旋ライブを終えて

学生時代の友人がたくさん見に来てくれて、純粋にうれしかったですね。そして、前橋の人たちのあったかさを感じました。いつ来ても地元には“癒やし”があります。群馬、最高ですね!

Q「医師芸人」としてブレイク中です

お笑いをやりながら、薄毛のクリニックで週2日、非常勤勤務をしています。芸人としては「医療あるある」をリズムよく踊りながら歌う動画をユーチューブやインスタグラムなどに投稿していますが、1年前、「さんまのお笑い向上委員会」に出演してからフォロワーが一気に増加。仕事量の割合は以前は医者9、芸人1でしたが、今は3対7くらい。芸人としての収入も増えてきました。現役の医者なので、仕事内容をお笑いのネタにリンクできる点がプラスですね。

Q医者との両立で難しいところは

ざけた芸人の顔と真面目な医者の顔との切り替えが大変です。診療中に突っ込み入れたり突然踊りだしたりしたら変な医者だと思われますから(笑)、そこは我慢。また、それぞれの立場でどうリアクションすべきか困惑することも。例えば、芸人として出演した番組で医者の立場で何か言わなければならない時ボケないでいると全然ウケない。でも医者としてはきちんと答えなければならず、その狭間で悩むことは多いですね。

Qネタ作りで気を付けていることは

リアリティーを大切にしながらも、医者やナースをディスり(批判し)過ぎないこと。聞いた人を不快にさせないギリギリのラインでネタを作るよう気を遣っていますね。このほか重い病気も扱わない、「死」という言葉も使わないなど徹底しています。自虐や、他人に対してのボケにも絶対に使いません。笑えなくなっちゃいますから。

突然降ってきました

Qいつからお笑いを目指した

最初は本気で医者になりたくて医学部に入学しました。でも、在学中にお笑いがやりたくなっちゃって(笑)。テレビでM-1や爆笑オンエアバトルを見て影響を受けました。特にフットボールアワーさんを見て「こんな漫才やってみたい」と思ったのが最初です。大学卒業後、東京で研修医をしていた時、思い切ってよしもとの養成所に入りました。どうしてもお笑いをやってみたいという気持ちが大きかったんです。両親からの反対はなく、むしろ応援してくれましたね。

Q「ヘイヘイドクター」はどう生まれた?

突然降ってきました(笑)。最初はしょぼい音楽に乗せて踊っていましたが、SNSで発信するにあたり伴奏を後輩芸人に作りなおしてもらい、衣装も普通の白衣から今着ているスクラブ(外科医用ユニフォーム)に変えたところ、フォロワー数が1週間で1万人も増え、TVにも呼ばれるようになりました。

Q「吉本坂46」の活動について

吉本のタレント1747人がエントリーし、6次審査を経て、トレンディエンジェルやガンバレルーヤなどの人気芸人から無名の若手まで46人が正式メンバーとなりました。その中の1人に選出されたのです。5月8日には2ndシングルが発売になり現在、3rdシングルの表題曲を歌う権利をかけてメンバーが3チームに分かれそれぞれのCDで売り上げを競っています。僕はダンス選抜チーム「RED」に所属しています。実は小さい頃、引っ込み思案だったのですが、「TVに出たい」という願望があり、特に「ジャニーズに入りたい」と本気で思っていたので、吉本坂に入れて、ある意味夢がかないました。3枚目の表題曲が歌えることになったら、今年の紅白出場も夢ではありません。

「フッ軽」を意識して

Q今、力を入れていることは

「ヘイヘイドクター」の英語版を製作中で7月中にはインスタにアップ予定。「手術した後焼肉食べに行く」っていう日本の医者あるあるが果たしてアメリカで通用するのか分かりませんが(笑)。第2のピコ太郎を狙っています。

Q今後の目標は

芸人としては既存のものにとらわれず、自分にしかできない新ジャンルを立ち上げていきたい。SNSをうまく使って積極的に発信します。とにかくやりたいと思ったらやっちゃおう、ダメだったらやめればいいと(笑)。また、お笑いに限らず色んなことに挑戦したい。次は俳優やモデルかな。ドラマ「白衣の戦士!」に医師役で一瞬出演した時、周りから「棒読み」「お前が一番、医者感がなかった」なんて言われてしまったのでリベンジしたいですね。

Q夢の実現に向け努力していることは

「フッ軽」つまり「フットワーク軽く」を意識しています。今まで人付き合いは積極的にしていなかったのですが、昨年目標に掲げ様々な人と会うようにしていたら繋がりが繋がりを呼ぶことが分かりました。そこから、異業種の方とのコラボなども実現し、芸の幅や世界が広がっていくし、自分の認知度も上がっていくと信じています。

Q群馬のファンにメッセージを

群馬は魅力度ランキングなどでいつも下位にいるので、認知度を少しでも上げて「群馬=住みたい場所1位」に押し上げられるくらいPRしていきたい。最終的には中山秀征さんと井森美幸さんと一緒にならんで観光ポスターに登場できたらいいですね。それと、もっと群馬のステージにも上がりたい。群馬は医療系の大学や学校が結構あるので、是非、僕を呼んでください!「ヘイヘイぐんま」で地元を盛り上げていきますので、応援よろしくお願いします。

文/上原道子・写真/中島美江子

しゅんしゅんくりにっく・ぴい

1983年7月2日生まれ。36歳。3歳から前橋に住む。第2ハト保育園―岩上小(4年まで)―荒牧小(5年から)-南橘中―中央高校―群大医学部卒。2010年に吉本興業の養成所に入学(NSC東京16期生)。コンビを結成しM-1で準々決勝進出。2016年に解散しピン芸人に。2018年、吉本坂46のメンバーに選抜される。現役の医師でもある。YouTube「しゅんP Channel」他、Twitter、Instagramも随時更新中。日々の芸人としての活動の他、Twitterでは1日に1回、医療クイズをツイ―トしている