わらわら[1月13日号]

演劇クラブだった小学生の頃、「きのこわらわら」という劇を上演した。あらすじは忘れたが、私を含む大勢のキノコ軍団が一斉に「わらわらわらわら生えてやろ!」というせりふを繰り返し叫んだ記憶がある。
「わらわら」—辞書により解釈が異なるが、キノコが次から次へとニョキニョキ生える様子を巧みに表現した言葉だと思っている。
朝日ぐんまでは昨秋、カネコ種苗(前橋)の協力を得て、卓上で簡単にできるセットでキノコ栽培を試みた。世間では野菜が高騰し、一方で価格が安く安定しているキノコ類の需要が高まっていた頃。「自宅で栽培できれば、さらに家計が助かるかも」という発想からだった。
スタッフたちは頻繁に様子を伺い、出勤するや、「芽が出てる!」「シイタケの数が激増したよ!」日々、著しい成長を遂げるキノコたちの様子に沸いた。
上を向いて力強く、健気に生きている一つ一つが、いつしか愛おしい存在になっていたため、初めて収穫する日は一抹の寂しさを覚えた。軸の根元に手をかけた瞬間、あの声が聞こえてきた。「わらわらわらわら生えてやろ!」。
今年の座右の銘は「わらわら」に決めた。キノコのように粘り強く、日々成長できるよう精進する。また、様々なアイデアを「わらわら」と繰り出し、楽しい紙面づくりに貢献できるよう頑張りたい。

(上原 道子)