ビールのある「最幸」の瞬間[1月20日号]

ビール。この言葉から幸せを連想する人は多いだろう。乾杯の瞬間、風呂上がりの一杯など、想像するだけで「くぅーっ!」と声が出てしまう。最近は冷えた体を熱燗で温めた後にビールを流し込むのがマイブームだ。ところが先日、「昨年のビール類出荷額が12年連続で最低」とのニュースが各媒体で取り上げられた。ビールを一緒に飲む仲間が、ゆっくりと剥ぎ取られていくような感覚に陥ったのを覚えている。
出荷額が落ち込むのは業界として問題かもしれない。酒を飲む若者も減少傾向。さらに、税制改革問題なども含め、ビール業界のすっきりしない話題は枚挙に遑がない。
量や金額といった数字で判断した場合、「最低」となったビール。だが、違った視点から見つめることで、「最高」の瞬間を生み出せる「特別な飲み物」ではないだろうか。富士山頂で雄大な景色を眺めながら飲むビール、20歳になった瞬間に仲間達と飲むビールなど、数値化できない「幸せ」や「感動」をもたらす力を秘めている。
昨夏開業した高崎のシンキチ醸造所では、近日中に自家製ビールが飲めるようになる。店主が情熱を込めて作るビールは最高に旨いに違いない。私もビール好きな若者を増やしたい一心で、ハシゴ酒や花金をテーマにしたビアテラスを企画している。ビールのある「最幸」の瞬間が広まることを夢見つつ、今日も金色の酒を飲む。

(竹内躍人)