群馬の新名物野菜参上! 邑楽町キャッサバ・高山村ビーツ

群馬の新たな特産品誕生!?

邑楽町の畑の一角で、タピオカの原料にもなる穀物「キャッサバ」の生産が話題となっている。一方、ロシア料理ボルシチの材料として名高い根菜「ビーツ」の生産が高山村で広がりを見せている。海外ではおなじみの野菜だが日本ではまだなじみがない両者の人気の秘密を探る。

邑楽町キャッサバ

煮たり、 揚げたり南米の家庭料理に
大人気「タピオカ」の原料
直売店に母国の味求めブラジル人ら殺到

若い女性を中心に大人気のタピオカ。邑楽町では、その原料となるキャッサバを町の新たな特産品にしようと、地元農家らで作る農事組合法人「アグリファーム」(大川則彦代表理事)が栽培に取り組んでいる。ブラジルでは「マンジョカ」と呼ばれ食卓に欠かせない野菜だ。今月中旬から最盛期を迎え、畑に併設された直売店「マンジョカ・ファーム」(090・5337・1120=1㌔600円~、営業は11月上旬頃まで)には連日、多くのブラジル人らが来店。今月21、23、24日には大泉の日伯学園の児童生徒らがキャッサバ芋堀り体験を楽しんだ。

南米や東南アジアの家庭料理に広く使用、国内では栽培が限られており入手困難な野菜という。県内在住の外国人から、「母国の味を楽しみたい」という声を受け、同町農業委員の島田信成さん(49)や大川さんら農家6人が2017年にアグリファームを立ち上げた。
今シーズンは新規メンバーを含む12人で7ヘクタールを栽培。大川代表理事(50)は、「ジャガイモとサツマイモの中間のような味で、煮ても揚げてもおいしい。全国から注文が入っています」と笑顔で語る。
同町役場の南西に位置するキャッサバ畑では直売だけでなく毎年、日系外国人の子どもたちを対象に芋掘り体験を実施。今年も約60人が参加し、地中に伸びる芋を掘り起こした。島田さんは、「母国で愛されている味を子どもたちに知ってもらおうと企画しました。外国人だけでなく地元の人たちにも、その存在を広くPRして、邑楽の特産に育てていきたいですね」と語る。

高山村ビーツ

料理が真っ赤にインパクト大
御膳&デザート 栄養士らと利根実生が開発

ビーツ生産に取り組む農家が年々増加し、現在10軒近くになっている高山村。地場産ビーツを広く知ってもらおうと20日、デザート付きのランチメニュー「ビーツ御膳」の販売イベントが初開催され、多くの地元住民や観光客らでにぎわった。
栽培ブームの火付け役は有機農園「Kimidori farm&kitchen」を営む平形清人さん(38)、佐和美さん(35)夫妻。清人さんは大卒後、就職したカナダで初めて食べたビーツ入りスープの色と味に衝撃を受けた。2012年に同村で就農した際、日本でもビーツを浸透させたいと栽培を開始。現在、40㌃で3種類のビーツを栽培。6、7月と、霜に当たると甘みが増す11月の2回、旬があるという。

御膳のお披露目は20日、ビーツなど地場産品も販売する道の駅中山盆地(0279・63・2000)で行われた。村の特産品開発事業として高山村地域おこし協力隊、食育グループ、高校の3者が共同で開いた。
コロッケ、稲荷ずし、きんぴら、漬物、すまし汁など7品目全てに村産ビーツを使用する献立は、村で食育活動を行う高山村ベジフルグループ(高橋絹枝会長)のメンバーが考案。村の管理栄養士・藤井なおみさん(60)は、「洋野菜だけど和風の味付けも意外と合いますよ。『食べる輸血』と呼ばれるほどミネラルが豊富で、老化や動脈硬化を防ぐという研究も。是非家庭でも試してみて」と呼びかける。
デザートは、利根実高の食品文化コース所属の生徒が担当。ベジフルグループの指導を受けながら4月から試行錯誤を重ね3品を完成させた。パウンドケーキ担当の3年角田梨緒さん(17)は、「特徴の『赤』を残すために高温、短時間で焼くのが難しかった」と振り返る。プリン担当の2年佐藤琉聖(17)さんは「年配者を意識して黒蜜をかけて食べるタイプにした」、チーズケーキ担当の同青木美優さん(17)は「赤を生かし、3層にした」とそれぞれのこだわりをPR。店頭でも単品で販売すると、たちまち完売した。担当の同校丸橋千尋教諭は「地域資源に特化した加工や食文化を学ぶいい機会になった」とほほ笑む。ふるさと協力隊の野口賢人さんは「今後、御膳に興味を持つ食堂などがあればコラボ販売していきたい」と意気込む。
料理開発は県内学生へ広がりを見せている。仮想企業を立ち上げ商品開発に取り組む共愛学園前橋国際大の学生は、ビーツなどの生野菜をラップで巻いた品を近くのパン店で試験販売中。一方、高崎商科大の学生は「企業連携プロジェクト」の一環で創作したビーツパスタを26、27日の学園祭で販売予定だ。
ビーツが高山村の新たな看板野菜となる日は近い。