高崎電気館の話(vol.22)

200124地獄のフナスキン新聞(高崎電気館)
昭和の香りただよう「高崎電気館」で昭和の映画を。おすすめです!

芸人、ミュージシャン、俳優、声優など幅広く活躍する金谷ヒデユキさんが、芸人目線で世間を斬ります。不定期連載。

みなさん!ついに帰って来ました。何がってアレですよアレ。ニッポンのお正月が帰って来ましたよ。ニッポンのお正月と言えば何ですか?おせち?お雑煮?ノンノ~ン。寅さんですよ。車寅次郎ですよ。フーテンの寅ですよ。

前作終了から二十二年。第一作『男はつらいよ』から数えてちょうど五十年目の寅さん復活。誰しもが期待に胸膨らむところですが、実はわたくし、この原稿執筆の時点ではまだ映画を見ておりません。寅さんファンの風上にも置けない不義理ぶりですが、これには理由があります。

ご存知の通り寅さん役を演じていた渥美清氏はすでに他界。果たして今回の映画の中でどのように復活するのか?期待と共に高まる不安。紅白歌合戦で復活した『AI美空ひばり』同様『AI寅さん』なのか?はたまたゾンビ映画のような『寅次郎は生きていた!あなたの後ろで!』とホラー風味になるのか?それとも『ターミネーター』のような機械の身体を手に入れた寅さんが、鋼の肉体で敵と戦うのか?「コラ、タコ!タコ社長!アイルビーバックだこの野郎!」と吐き捨てるのか? どれも興味深いけど私の求めてる寅さんとは違う。そんな思いがあってまだ一歩を踏み出せないでいます。

その代わり今年の正月、新作ではない別の形で寅さん映画を見てきました。場所は高崎電気館。開館されたのが一九一三年。百年以上前に建てられた映画館で行われた寅さん映画特集。しかも上映作品が、名作と言われる第三十二作『口笛を吹く寅次郎』ですよ。

長渕剛と志穂美悦子が出演し、後に結婚した第三十七作『幸福の青い鳥』や、ジュリーこと沢田研二と田中裕子が結ばれた第三十作『花も嵐も寅次郎』。他にも浅丘ルリ子演じるリリーが出演する作品など名作は数々あれど、一番の名作は竹下景子がマドンナ役を務めるこの作品。何回見ても良い。昭和の映画を昭和の映画館で。最高の贅沢でした。実はこの高崎電気館、三年前に私の主演映画『道しるべ』が上映された場所でもあります。毎年正月は寅さん映画。他にも『ET』『ネバーエンディングストーリー』などの懐かしの洋画や、無声映画、時代劇なども上映されてるのでおすすめです。

寅さん映画を堪能しきった私に電気館の担当Yさんからこんな言葉を頂きました。
「金谷さん、寅さんにちょっと雰囲気が似てるから、次回作で寅さん役いけるんじゃないですか?」
確かに!私も旅回りでいろんなとこ行ってるし、いまだに独身だし、女にフラれてばっかりだし。ってYさん、それを言っちゃあおしまいよ。

金谷ヒデユキ

金谷ヒデユキ

安中市出身。フジTV「タモリのボキャブラ天国」にて「地獄のスナフキン」の愛称で親しまれた音楽芸人。現在は音楽活動、芸人活動の他、声優として「機関車トーマス」アニメ「けいおん」等にも出演。ツイッターのフォロワー募集中。