「愛郷ぐんま」 第2弾

“今こそ、群馬を旅しよう”

県民を対象に 5000円の宿泊割引
新緑の観光地へ、地域限定クーポンも

みどり市の「チカバケーション」には袈裟丸山登山者向け早朝出発プランも

県は、コロナ禍で大きく落ち込んだ群馬の経済の立て直しを図ろうと、宿泊料金を補助する県民限定の宿泊割引施策「愛郷ぐんまプロジェクト『泊まって! 応援キャンペーン』」を3月26日からスタートさせた。感染拡大のリスクを極力軽減する、近場への旅(マイクロツーリズム)を推進するのがねらい。延べ約32万5000人の県民が利用した第1弾(昨年6~7月)に続く第2弾として、5月末まで実施する。同プロジェクトと併用できる商品券やクーポンの発行など、市町村独自の連動企画もあわせて紹介する。

地域経済を回し 幅広い業種に波及効果を

愛郷ぐんまプロジェクトは、経済波及効果の大きい観光産業への支援を通じて、コロナ禍で傷手を負った県内経済を立て直すための施策。県民を対象とした宿泊割引キャンペーンで、県内の対象宿泊施設に泊まり、料金が6000円以上だった場合に、1人1泊5000円のキャッシュバック、または割引が受けられる。

昨年6月5日~7月31日の第1弾では、利用実績は32万5000泊、経済波及効果は約84億円(推定)とされた。3月に入り県内のほぼ全域で警戒度が引き下げられたタイミングで、第1弾と同様の12億4900万円(約30万泊分)の補正予算案が県議会で可決された。山本知事は会見で「県内の感染状況が落ち着いていることが大前提」と強調した上で、このプロジェクトで地域経済を回していく方針を明らかにした。

利用方法は「非常にわかりやすい」と好評だった前回と基本的に同じ。直接予約、旅行会社経由、宿泊予約サイトからなど予約の方法は問わない。施設にチェックインする際に、利用者全員の身分証明書を提示し申込書に記入すると、チェックアウト時に補助が受けられる。

県観光魅力創出課の担当者は「昨年を大きく上回る711軒の登録(7日現在)があり、宿泊施設からの期待の大きさを感じている。また、第2弾は市町村とタイアップした地域クーポンの発行もある。マスクの着用など、感染防止対策をしたうえでぜひご利用いただきたい」と話す。補助の対象は5月31日宿泊分まで。施設によっては利用できるプランが限定されている場合もあるため確認を。

コロナ禍に即した 新しい観光のあり方

この一年、新型コロナウイルスの蔓延により地域経済は甚大なダメージを受けた。長期にわたる外出自粛要請や、県をまたぐ移動の制限など、観光関連産業にとっても厳しい状況が続いている。

遠出が難しい今、注目されているのが「マイクロツーリズム=小さな旅行」だ。自宅から1時間を目安とする近場への旅行を表す言葉で、コロナ禍における新たな旅の形として提唱され、評価が高まっている。

旅行者にとっても、移動の時間や費用の負担が少ない分、目的地で余裕をもって過ごせるなどのメリットがある。県も、家族など普段から一緒にいる人となど、可能な限り少人数での旅行を推奨している。まずは、安心できる相手と地域の魅力を再発見する「小さな旅」が楽しめる。

愛郷ぐんまと連動のキャンペーン続々

草津町が発行する地域限定クーポンが利用できる、草津温泉スキー場のバンジップテング

また、第2弾で県は、経済波及効果を高めるため市町村とタイアップ。宿泊者に対し、旅行中に地域で使えるクーポンの発行などを行っている。7日現在、渋川や片品など12市町村が参加し、一人1泊1000~3000円分を発行している。

草津町では、愛郷ぐんま利用者に1000円分の「草津温泉まち歩き共通クーポン」を進呈。町内のレストランや土産店のほか、草津温泉スキー場で通年楽しめるアトラクション「バンジップテング」など、レジャー施設でも利用できる。

また沼田市は、地元限定の電子マネーがもらえる「愛郷ぐんま×tengooキャンペーン」を実施。スマートフォンアプリ「chiica(チーカ)」をダウンロードした人を対象に、電子通貨「tengoo(てんぐー)」の3000円分のポイントを付与。予算額に達し次第終了予定。

一方、みどり市では、近場(ちかば)で特別感のある休暇(バケーション)を楽しむ観光キャンペーン「チカバケーションinみどり」を開催中。宿泊者を対象にさらに2000円を割り引きするほか、鉄道一日フリー切符のプレゼントも。いずれも最新情報は「ググっとぐんま公式サイト」を参照。問い合わせは、同プロジェクト事務局(027・243・7274)へ。

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