俳優 町田 啓太さん

「大河ドラマの現場は何から何まで初めてのことだらけで、毎回ワクワクしていました」と笑う町田さん=トークショーが開かれた東吾妻町コンベンションホールで

『なるほど、こういう小松帯刀像もありだね』って見ている人たちに納得してもらえるように心掛けて演じましたNHKで放映中の大河ドラマ「西郷どん」で、小松帯刀役を演じている町田啓太さん(東吾妻町出身)が先月11日、故郷で開催された凱旋トークショーに登場。同じく「西郷どん」に江藤新平役で出演する俳優・迫田孝也さんと共に、ドラマ制作の舞台裏や小中学生時代の思い出などを熱く語った。

劇団EXILEメンバーで、「花子とアン」「OVER DRIVE」などドラマや映画に多数出演するなど人気急上昇中の正統派イケメン俳優に、郷里での初のトークショーや大河ドラマへの思いなどを聞いた。

もう心臓がバックバク

Q郷里での初の凱旋トークショーを終えた今のお気持ちは

生まれ育った町でトークショーをさせて頂くことに、当初は不思議な感覚と楽しみな気持ちがありました。本番、皆さんが温かく迎えてくれて凄く嬉しかったですね。しかも、大先輩である迫田さんが会場を大いに盛り上げて下さって、来場者の方が心から喜んでいるのが伝わってきました。本当にありがたかったです。

Qステージ上ではどうでしたか

いやあ、もう心臓がバックバクでした(苦笑)。舞台から同級生とか恩師など見知った顔が見えたし家族・親族もいっぱい来ていて、懐かしいというか恥ずかしいというか(苦笑)。やっぱり地元は良いなと改めて実感しました。迫田さんがうまく盛り上げてくれたので、とても話しやすかったです。

不思議な縁を感じました

Q大河の出演オファーが来た時のお気持ちは

実は以前から時代劇をやってみたいと思っていました。小さい頃、祖父母が大好きだった時代劇を見ていて、何てカッコイイんだろうと。自分も剣道をやっていたこともあり、ずっと憧れていた世界でしたが、まさか大河ドラマで念願が叶うとは思ってもいなかったのでテンションが上がって大変でした(笑)。

Q小松帯刀のことは知っていましたか

過去の大河ドラマ「篤姫」で瑛太さんが演じていたことは知っていましたが、小松帯刀がどんな人物だったかは良く分かりませんでした。ただ、今の僕と同じ28歳で薩摩藩の家老職に就いたと知り、不思議な縁を感じました。

Qどのように役作りをしましたか

とにかく残っている文献を手当たり次第読み、人となりを調べた後で実際、鹿児島へ行きイメージを膨らませていきました。文献には頭脳明晰で人格的にも立派、しかもイケメンと書かれていたので読めば読むほどドキドキしちゃいましたね(苦笑)。実在していた方で、しかも鹿児島のヒーローですから、今でも多くのファンがいます。ただし、史実に忠実であるだけでなく大河ドラマならではの帯刀像を創り上げなければなりません。「なるほど、こういう帯刀像もありだね」って見ている人たちに納得してもらえるように心掛けて演じました。

何から何まで初めてのことだらけ

Q初の時代劇はどうでしたか

衣装を付け、かつらをかぶってセットに入るとまるで当時にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えました。所作しかり、言葉遣いしかり、表情しかり。何から何まで初めてのことだらけで、毎回ワクワクしていましたね。
主人公・西郷隆盛演じる鈴木亮平さんとは連続テレビ小説「花子とアン」以来の共演です
とても光栄でしたが、当時ご一緒させて頂いた時よりも何か自分の中でプラスアルファを持っていかないといけないなというプレッシャーも感じていました。撮影現場では先陣切って走ってらっしゃる鈴木さんに出演者全員が付いて行くというか、盛り上げていこうという一体感がありました。場の空気は淡々としながらも、静かに燃え盛っているという感じで、凄く刺激になりました。

Q大河出演で得られたことは

前から共演してみたかった多くの俳優さんたちとご一緒でき、演じる上でのモチベーションが俄然、上がりましたね(笑)。鈴木亮平さん、瑛太さん、小栗旬さん、松田翔太さん、皆さん実在する方を演じていますが、史実を踏まえた上で大河ドラマで求められる人物を自分なりに落とし込み、完璧に演じてらっしゃいました。僕も極限まで突き詰めた役作りをしなければいけないと強く感じました。次に繋がる気付きをたくさん頂きました。

極限まで突き詰めた役作りを

Qどんな俳優を目指したいですか

大河に出演されていた俳優さんは皆、感性や発想が豊かで、それらをフルに役に投影していました。僕も色んな経験を重ねて、観て下さる方に毎回、「今度、町田は何をしてくれるのだろう」と楽しみにしてもらえるような俳優になりたいですね。

Q群馬の方にメッセージを

僕自身、群馬出身ということに、とても誇りを持っています。県民の皆さんに、同郷の人が何かやっているなと興味を持ってもらえたらうれしいです。映画やドラマなど、作品を通して一人でも多くの方に楽しんでもらえるようこれからも一つ一つ、一生懸命頑張りますので、応援よろしくお願いします。

文・写真/中島美江子

まちだ・けいた

90年7月4日東吾妻町生まれ。2010年、「第3回劇団EXILEオーディション」に合格、同年、舞台「ろくでなしBLUES」で俳優デビュー。2014年、NHK連続テレビ小説「花子とアン」で注目を浴びる。映画・ドラマ「HiGH&LOW」シリーズやNHKドラマ「美女と男子」、映画「OVER DRIVE」、TVドラマ「ラスト・チャンス」(テレビ東京)に出演。10月からはTVドラマ「中学聖日記」(TBS)に川合勝太郎役で出演。また、映画「jam」「二階堂家族」の公開が控えている

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