最大限の努力 [緊急事態宣言の対象区域が13日から、11都府県に広がりました…]

総局長日記タイトル画像

緊急事態宣言の対象区域が13日から、11都府県に広がりました。宣言を要請した栃木県の福田富一知事は「国の発令はインパクトがあり、県民の行動変容につながる」。

一方、群馬県の山本一太知事は「国に頼るばかりでなく、県で最大限の努力をする」。昨年12月からの県東部5市2町の飲食店などへの時短要請を前橋、高崎両市にも広げ、時間も午後8時まで前倒しにした効果も見極める、ということです。

宣言は私権制限につながる心配も。ただ、「国に頼らず」の決意にも頼りなさを感じます。年末年始も感染者が亡くなり、クラスター(感染者集団)も相次ぎ発生。医療現場や保健所は命がけで感染拡大と向き合っていました。飲食業界にとどまらず、不安なく年を越した方はいないでしょう。年明け5日には太田市の清水聖義市長が「太田記念病院の一般病床がコロナ禍で満杯。医療崩壊の瀬戸際だ」として、県に増床を要請したと明らかに。

年末に「我慢の年末年始で感染者を減らすしかない」と話した知事の年初の会見は7日。県の対策本部会議の年初会合もこの日でした。県民への発信が遅すぎないか。1都3県知事が宣言発出の検討を政府に求めたのは三が日の中日の2日。他府県知事の多くも仕事始めの4日に感染状況や対策を説明しています。

感染爆発を前に国の対応が後手、場当たりに映る中、県には「最大限の努力」で具体的かつ効果的、柔軟な「次の一手」を迅速に推し進めてほしい。新参者の切なる願いです。

(朝日新聞社前橋総局長 本田 直人)

掲載内容のコピーはできません。