清き一票  [前橋市議選(7日投開票)では…]

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前橋市議選(7日投開票)では市民歴4カ月で初めての一票を投じました。コロナ禍という空前の危機や課題を前に、市政への思いを託し、懸命に納めた税金の使い道をしっかりチェックしてくれる候補は誰だ――。選挙権を得て、はや30年。これほど気合を入れて投票箱に向かったためしはありません。

というのは真っ赤なウソ。投票先を決めあぐねたまま期日前投票を逸し、迎えた投票日は日曜日だというのに早朝8時前から高崎市内の仕事で終日缶詰に。出がけの午前7時すぎに投票所の小学校に駆け込むと、深く考えないまま一票を投じることになりました。各候補の訴えを知り抜いておくべきだった。後の祭りです。

感染対策で集会などが激減した選挙戦。そもそも大きな争点や対立軸を見いだしにくく、政策論争が乏しかったのは否めません。選挙カーから聞こえるのは「地元推し」「関係団体推し」の候補者名の連呼ばかり。よく知らないし……。選挙公報の各候補の記載も似たり寄ったりで具体性に乏しい印象でした。

投票率は42・92%で過去最低。総じて支持基盤や組織の後ろ盾がある現職有利となりました。そういえば12年ぶりの選挙戦となった1月の伊勢崎市長選も投票率は30・35%で過去最低でした。

10月21日には衆院議員が任期満了を迎える総選挙の年。「自分一人が投票しなくても」と言い出すと世の中が成り立ちません。あらゆる光景が一変した今こそ一票の重みをかみしめ、考え抜いて、それぞれの足元で政治に責任を持たなければ。

(朝日新聞社前橋総局長 本田 直人)

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