群馬で 秋キャンプと温泉

密を避け、大自然の中でのんびり、ゆったり、ほっこり
今夏オープンの川原湯温泉駅キャンプ場や尾瀬いわくらキャンプ場など5施設紹介

空気が澄み、山地では紅葉の便りも聞こえてきました。新型コロナウイルスの影響で家の中で過ごす生活が続く中、今、日本ではキャンプブームがやってきています。日本オートキャンプ協会が今夏発表した「オートキャンプ白書2020」によると、テントサイトまで車で乗り入れる「オートキャンプ」を楽しむ人が7年連続で前年より増加。今年は自宅にテントを張ってキャンプ気分を味わったり、密を避けて自然と親しむなど、新たなキャンパーも増えています。一方、温泉王国「群馬」に住む県民にとっては、やはり旅先で温泉に浸かるというのも楽しみの一つ。今号では「秋キャンプ+温泉」をテーマに、どちらも満喫できる県内の新生スポットやオススメ施設を紹介します。(上原道子、中島美江子)。

①今夏オープン!眼前に広がる八ツ場あがつま湖 絶景のロケーションに駅直結の好立地

長野原・川原湯温泉駅キャンプ場

今年3月に完成した八ツ場ダム。その巨大なダム湖畔に今夏、新スポット「川原湯温泉駅キャンプ場」(長野原町)が誕生した。絶景のロケーションと駅直結という好立地で、オープン間もないが県内外のキャンパーから注目を集めている。

八ツ場あがつま湖に面したキャンプ場は、全22サイトで100人程度が利用可能。手ぶらでキャンプとバーベキューが楽しめるほか、希望者には専門スタッフがサポートもしてくれるため初心者でも安心だ。今月19日、ソロキャンプデビューした20代男性は、「タープは持ってないし張り方も分かりませんでしたが、スタッフさんに手伝ってもらい無事できました。僕みたいなビギナーにピッタリです」と笑顔を見せる。

コンパクトでフラットなキャンプ場はスタッフの目も届きやすく、親子連れにも好評だ。子ども3人と初めて訪れた佐藤秀紀さん(42=富岡)友紀子さん(40)夫妻は、「視界を遮るものがないので遠くからでも子どもたちの様子が分かります。天然芝が敷かれているので遊んでいても安心ですね」と話す。

源泉かけ流しの内湯と露天風呂は明るく開放的

キャンプ場利用者は、併設された複合施設「川原湯温泉あそびの基地NOA(ノア)」にある温泉「笹湯」が無料で楽しめる。源泉かけ流しの内風呂と露天風呂は明るく開放的で、入浴後は無料休憩スペースでゆっくり寛げる。家族4人で訪れた宮前太一さん(40)は、「キャンプ場からすぐなのですごく便利。源泉かけ流しの温泉も、ロケーションも最高ですね」とほほ笑む。

また、ダム湖でカヤックやカナディアンカヌーなども体験可能だ。キャンプ場の龍野悦隆マネージャーは、「電車でも車でも手ぶらでも、気軽にキャンプやバーベキューが楽しめます。今月中旬頃から紅葉も始まりますし、11月からはキャンプ場の全プログラムが体験できるプランもスタートしますので是非、遊びに来て下さい」と語った。

★キャンプ場、バーベキュー施設とも要予約。通年営業。同場(090-6942-1223)。

②北関東最大級のスキー場に今夏、新しく開設 標高1000mの高原でのんびり

片品・尾瀬いわくらキャンプ場

北関東最大級の規模を誇る片品のスキー場「ホワイトワールド尾瀬岩鞍」に今年6月、初めてキャンプ場がオープンした。多彩なコースと広々としたゲレンデが人気で、冬場は多くのスキーヤーでにぎわう。同スキー場のゲレンデのうち、ゴンドラの駅舎近くに広がるベースエリアをフリーサイトとして開放。芝生の生えたフラットな場所で、ソロキャンプからグループ、ファミリーなどの団体利用まで、ゆったりのんびりキャンプが楽しむことができる。フリーサイト近くには「平成の名水百選」に選ばれた「尾瀬岩鞍湧水」が湧き出ており、飲料水として自由に利用可能。また、ふわふわ遊具(無料)などのアクティビティースペースに加え、グランドゴルフ場も整備されている。炊事場やBBQエリアもあり、日帰りキャンプとしての利用でも十分楽しめる。運営する尾瀬岩鞍リゾート営業部の星野優一さんは「標高1000mの開放的な高原で、夜は寝転んで満天の星を眺めたりして大自然を満喫できます。非日常を味わいに、是非遊びに規定ください」と呼びかける。

ホテルの大浴場で贅沢なひとときを

風呂は、ゲレンデの目の前に建つ岩鞍リゾートホテル内の大浴場「天然温泉源泉 市山の湯」が利用でき、美肌のほかリウマチ、神経症、疲労回復などの効能があるアルカリ性単純硫黄温泉を湛えた大きな湯舟でゆったりとくつろげる。中学生以上700円、小学生以下500円=利用時間は正午~午後10時(なお、10月中の団体宿泊利用がある平日は利用不可)。

★キャンプ場は10月25日まで。要予約。ホワイトワールド尾瀬岩鞍(0278-58-7777 =午前8~午後5時)

③釣り、カヌー、キノコ・リンゴ狩りなどレジャーいっぱい 温泉露天風呂も完備

みなかみ・猿ヶ京温泉 湯島オートキャンプ場

関越・月夜野インターから25分、みなかみの猿ヶ京温泉郷からほど近い湯島オートキャンプ場は、森、川、湖といった大自然をまとめて楽しめるアウトドアスポットだ。芝生広場を中心に、AC電源付きサイト(9区画)、オートサイト(41区画)、フリーサイト(5張)、BBQエリアなど、使い方に合わせて選べる多彩なサイトが配置されている。場内にはキャンパーは無料で利用できる源泉かけ流しの天然温泉露天風呂を完備。同キャンプ場管理人の鎌田篤範さんは「9月に集中豪雨で一部被害にあったが、すぐに復旧し元気に営業しています。紅葉を見たり川のせせらぎを聞きながら、お風呂に入ってのんびりしてもらえたら」と話す。場内ではマスの釣り堀で釣った魚をその場で焼いて食べられる(1匹300円)。そのほか周辺では栗やクルミ、キノコの採取、カヌーやリンゴ狩り体験も楽しめる。

★キャンプ場は12月24日まで。要予約。まんてん星の湯(0278-66-1126=午前10~午後8時)。

④標高約1500mのフリーサイトで気兼ねなく 雄大な夕日&星空鑑賞も

片品・丸沼高原オートキャンプ場

丸沼高原スキー場の広大なゲレンデを利用した標高約1500mのオートキャンプ場は、ウエストエリア、イーストエリア(電源付き)、ノースエリア(同)、林間サイトの4つのエリアすべてがフリーサイト(区画なし)。隣を気にせずゆったりと過ごせるのが特長だ。ツリーアドベンチャーやサマーリュージュ、サマーゲレンデなどのアトラクションも充実。秋の楽しみ方について丸沼高原の一郷剛志さんは「標高が高く周囲に明るいものもないため、空気が乾燥した秋の星空の美しさは群を抜いています。また、ロープウェイのサンセットクルーズでは、足湯に浸かりながら沈みゆく夕日を眺めるなど、雄大な自然を肌で感じることができますよ」と話す。入浴は神経痛や冷え性、慢性消化器病、美肌などにも効果がある、センターステーション内の「座禅温泉」が利用できる(入浴料はキャンプ場料に含まれる)。新型コロナウィルス感染予防対策も場内各所で実施中。

★キャンプ場は11月7日まで。要予約。丸沼高原総合案内(0278-58-2211)。

⑤用具リニューアル!手ぶらでワンランク上のアウトドアを

嬬恋・休暇村嬬恋鹿沢キャンプ場

標高約1400m、上信越高原国立公園内のリゾートホテル「休暇村嬬恋鹿沢」から徒歩3分のキャンプ場。カラマツやシラカバなどの森林に囲まれ、秋には色づく木々を愛でながらキャンプが楽しめる。オートサイトは31区画(AC電源、水道、野外炉付き)、高床式のウッドデッキ上にロッジ型テントを張ったサイト20区画に加え、8組限定のフリーサイトも。今年、貸し出しのキャンプ用品をリニューアル。テントやタープなど必要な道具やBBQの食材などがすべてそろった手ぶらセットなどプランも豊富で、地元の嬬恋で収穫された新鮮野菜も味わえるワンランク上のアウトドアレジャーを提供する。調理道具や本格ピザが焼ける卓上窯もレンタル可能。温泉は、1000年以上の歴史を誇る鹿沢温泉の源泉を引いたホテル本館の「雲井の湯」(有料)が利用できる。マグネシウム・ナトリウムの炭酸水素塩の温泉で、キャンプ場利用者は一般550円の割引価格で入れる(通常730円)。

★キャンプ場は10月24日まで。要予約。休暇村嬬恋鹿沢(0279-98-0511)。

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