開館5周年記念企画展を開催中

橋本勝 谷川岳フォトギャラリー

谷川岳の魅力を伝える場、若手写真家を育てる拠点に

谷川岳フォトギャラリーを運営する久保社長(左)と、開館記念展に出展している橋本さん(中央)と曽我さん(右)=「旅館たにがわ」

谷川岳の南麓にたたずむ「旅館たにがわ」(みなかみ町谷川)に併設された「橋本勝 谷川岳フォトギャラリー」が開館5周年を迎え、節目を祝う記念展が館内で開かれている。ギャラリーは、日本山岳写真協会会長を務める橋本勝さん(81=前橋)の写真を紹介すると共に、アマチュアカメラマンの発表の場として2014年6月に開設。プロ写真家の作品が常設展示されている温泉旅館は珍しく、全国各地から愛好家が訪れている。

橋本勝「朝日に燃えるマナイタグラ」

ギャラリーでは常時、橋本さんが撮影した約30点を展示。朝日に染まる雪山や紅葉に彩られた尾根、雄大で荒々しい岩肌など時に優しく、時に厳しく、時に神々しい表情を見せる谷川の写真の数々が並ぶ。一方、橋本さんの希望で開館以来、若手写真家らの企画展も3カ月単位で同時開催されている。

現在、5周年を記念しギャラリーでは橋本さんの谷川岳の写真展示と共に、前橋商工会議所会頭の曽我孝之さん(78=前橋)による企画展「旅のスケッチ」も同時開催中だ。さらに、これまでの企画展に出品した25人の写真も旅館内に展示されている。

橋本さんと25人の山岳写真はダイナミックで、どれも力作ぞろい。橋本さんは、「開設以降、多くの若手が作品を発表してきました。次世代を育ててくれるギャラリーには感謝の気持しかない」と話す。

曽我孝之「未来への道」

企画展では、曽我さんが海外で撮影した16点を展示。アメリカやフィリピンなど各国の風景や人々の営みが、瑞々しい感性と鋭い視点で捉えられている。曽我さんは「心に強く引っかかるものと出会った瞬間にシャッターを切っています。初めての個展なので一人でも多くの方に見てもらえたら」と期待する。

今年6月末には、開設5周年の記念式典が開かれ日本山岳写真協会員や写真愛好家ら約70人が出席し節目を祝った。同旅館の久保英弘社長(48)は、「谷川岳を守り、その素晴らしさや魅力を伝えていくのが使命。これからも、写真を志す人が巣立っていく場として、写真愛好家や観光客の交流拠点として、多くの人に楽しんでもらえたらうれしいですね」と語った。橋本さんと25人の写真展示は9月30日まで。曽我さんの企画展は同12日まで。いずれも入場無料。同旅館(0278・72・2468)へ。

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