着物を作る過程と技法を紹介

日本の伝統が息づく「伝承展」が初開催

前橋市れんが蔵

共同企画した(右から)小川屋の伊藤社長、まちなかエージェンシーの三橋一仁さんと着物作家森尻春司さん=前橋市芸術文化れんが蔵

日本の伝統文化である着物の制作の過程を紹介した「伝承展」が今月4、5日の2日間にわたり、前橋市芸術文化れんが蔵で初めて開催された。

「着物文化をもっと多くの人に知ってもらいたい」と前橋の老舗呉服店「小川屋」が、前橋を拠点に地域活性化事業に取り組む団体「前橋まちなかエージェンシー」とプロジェクトチームを立ち上げ共同企画した。

国指定登録有形文化財の歴史ある同れんが蔵には、卓越したセンスと色調で着物文化に新風を吹き込んでいる京都の人気着物作家・森尻春司さんが県産蚕「新小石丸」の生糸を使って仕立てた着物などが飾られた。

「最高・再構・再考」をコンセプトに掲げた今展では、京都の職人たちによって分業されている製造工程を、実物の型紙や映像、音声、写真パネル、出来上がった反物などで分かりやすく紹介。伝統的な染付技法「京友禅型染め」の反物から仕立てられた色彩豊かな着物も展示され、多くの人が見入っていた。

小川屋の伊藤大介社長は、「初の展示が叶い、たくさんの方に足を運んでいただきとてもうれしい。着物の価値を高めることにより、伝統文化だけでなく高齢化している職人の技も守っていければいいですね」と笑顔を見せた。(谷 桂)

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