リンパ浮腫ケア用品「とりこっとん」開発中

クラウドファンディングで商品化目指す

27日、前橋でPR

リンパ浮腫の滲出液ケア用品「とりこっとん」の商品化に、前橋の任意組織「nunology(ヌノロジー)」が取り組んでいる。今月27日の前橋めぶくフェスではPR活動を行う。               (野﨑 律子)


リンパ浮腫は、乳がん、子宮がんなどの進行や治療に伴って発生する症状。治療部位に近い腕や脚にむくみが生じ、ひどくなると皮膚の表面からリンパ液が滲み出すこともある。同組織の山田俊介代表(46)も19年5月に妻を卵巣がんで亡くしたが、皮膚から滲み出すリンパ液を吸わせる専用商品がなくて苦労した。ペット用シートや女性用の生理用品で対応せざるを得ない状況に疑問を感じ、専用商品を作り同じ症状に悩む人たちに届けようと開発に着手した。

この事業プランは、県が行う「令和元年度 群馬県地域・まちなか活性化応援事業」で、15件の応募プランの中から優秀事業の一つに選定された。今後はクラウドファンディング(CF)で資金を募り商品化を目指す。

「とりこっとん」は、手縫いで柔らかく仕上げたコットン素材のシート=写真=とそれを患部に固定するホルダーのセット。闘病中でも明るい気持ちになれるよう華やかな色柄で、症状に応じた形やサイズを準備する予定だという。さらに作り手は若い母親やがん患者を想定し、育児や闘病で外出が難しい人たちでも社会参加できる場を創出することも目指している。山田代表は「亡き妻が残した宿題と思い取り組んでいます。多くの人の理解と協力を得たい」と語る。

同商品は現在試作段階だが、県内のイベントでPR活動を展開中だ。今後の出展予定は27日の前橋めぶくフェスのほか11月3日のぐんまマラソン、12月7日の群馬イノベーションマーケットなど。CFは来年1月開始の見込み。詳細は同組織FB(https://www.facebook.com/nunology)。問い合わせはメール(shun.nunology@gmail.com)で。

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