“仕事場に子供を連れてきてはいけない”は「常識」?

コソダテコラム

一般社団法人TEKITO DESIGN Lab代表理事
クリエイティブデザイナー

蛭子 彩華

1988年前橋生まれ。2015年、夫のチリ駐在への帯同をきっかけにデザイナー活動を始める。学生時代から取り組んでいた団体「適十塾」(てきとじゅく)を母体にした法人を2016年設立。「現代の社会課題を、デザインとビジネスの循環の仕組みで解決する」を軸に事業を展開

前橋生まれの私は、都内で暮らす2児(3歳と1歳)の母です。都内と前橋を拠点に、社会課題の解決を軸にしたデザインの仕事をしています。そんな中、下の子が待機児童になってしまい、まさに社会課題を突き付けられています。上の子が保育園に通っていたので、市役所から落選通知が届いた時は目を疑いました。しかし、様々な手立てを打ちながら在宅で仕事を続けています。

子どもを預けなければいけない時は、保育園の一時預かりを1か月前に予約したりウェブでベビーシッターさんを探して預けたり。ところが最近、仕事先に「子どもが待機児童で」と話すと、「連れていらして下さい」と言って頂ける機会が増えてきました。働き方改革が叫ばれる時代の後押しを感じると共に、“仕事場に子供を連れてきてはいけない”という「常識」が実は思い込みだったことも実感しました。

布わらじを作るワークショップを子連れで主催

国内でも子連れ出勤を実施している企業があります。茨城の授乳服メーカー「モーハウス」で、同社は子連れ出勤を認め子どもを抱っこしながら、またはベビーベットに寝かせたりしながらの接客スタイルを確立。社員の「仕事しながら育児を続けられて嬉しい」という言葉から、お母さんの望む形で両立を実現できているのを感じます。

保育施設に預けて仕事に集中する環境(ハード面)を整えることは必要です。しかし、環境が整うまで“待機する”の一択ではなく、「子連れで仕事ができる」という選択肢が社会に増えることで、その人なりの働きやすさや生きやすさ(ソフト面)の広がりに繋がるのではないかと感じています。

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