🦗コオロギレシピグランプリ初開催

「昆虫食=ゲテモノという固定概念を変えたい!」

大学院生と社長の二足のわらじを履く桜井さん=高崎経済大

高経大大学院生

桜井 蓮さん

「『昆虫食=ゲテモノ』という固定概念を変えたい!」 高崎経済大学大学院1年の桜井蓮さんがCEOを務める昆虫食ベンチャー企業「フューチャーノート」(高崎市本町)が、今月4日から食用コオロギパウダーを使ったレシピコンテスト「コオロギレシピグランプリ」を開催している。なじみが薄い昆虫食を体験してもらうことで、ネガティブなイメージを払拭し、普及につなげたい考えだ。     (林道子)

世界の人口増加に伴い食糧不足が危惧される中、高タンパクで栄養価が高い昆虫食は「未来の食」として注目を集めている。省スペースで大量生産でき、牛や豚と比べて飼料や水の消費が抑えられるため環境への負荷も少ない。2013年には国連食料農業機関が、食糧問題の解決策として昆虫食を推奨する報告書を出している。

②コオロギ養殖が盛んなタイを視察=写真提供:フューチャーノート

桜井さんは同大学2年時に、飯島明宏教授(地域政策学部)のゼミで水生生物の調査を行ったことをきっかけに昆虫食に興味を持った。昨年2月に食用昆虫の養殖が盛んなタイ東北部の町コンケンを視察に訪れた際、貧しい農村地域においてコオロギの養殖が新たな収入源として期待を集めていることを知り、地域活性化の観点からも昆虫食ビジネスの可能性に着目。昨年7月、飯島教授らと共に同社を設立した。

タイから輸入したコオロギパウダーを用い、見た目と味のハードルを下げることにこだわった

③食品の安全規格(GMP、GAP)を取得した工場で造られたコオロギパウダー=写真右。「コオロギのゴーフレット」=写真左=には1枚に10匹分のコオロギパウダーが練りこまれている

焼き菓子などの商品を開発。安中の老舗和菓子店「田村製菓」と共同開発した「コオロギのゴーフレット」は、昨年12月からJR高崎駅の土産物店「群馬いろは」や上野の国立科学博物館などで販売を開始し、「予想していた3倍」と好調な売れ行きだ。

今年5月には無印良品が「コオロギせんべい」を発売し、発売初日で完売するなど昆虫食への興味は広がりつつある。しかし、「物珍しさや興味本位で購入する人が多く、一般的な食品として定着するにはまだまだ」と桜井さん。そこで、普及に向けた一番の壁である昆虫食への抵抗感を無くそうと企画したのが、「コオロギレシピグランプリ」だ。

先着500人にコオロギパウダー(100g)を無料配布。参加者は同商品を使ったレシピを考案し、写真と感想をSNSで投稿する。「クセは少なく、エビのような香ばしい風味が特徴。おいしさを体験してほしい」と桜井さん。新型コロナウイルスの危機を受けて食料問題への関心が高まる中、「食の選択肢の一つとして昆虫食を考えるきっかけになれば」と期待を寄せる。

※キャンペーンサイト(https://plusmirai.com/recipe-gp/)で6月30日まで、参加受付中。レシピ応募は7月31日まで。グランプリには、食用コオロギ生産地(タイ)視察ツアーが贈られる。桜井さん(070-2296-5116)

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