高崎商科大学で職員対象に「障害平等研修」

「心のバリアフリー」に理解

高崎商科大学は今月18日、「心のバリアフリー」を推進する「DET群馬」の飯島邦敏代表らを招き、同大職員を対象に「障害平等研修」を開いた。「障害平等」とは障がい者に対する差別を解消し、社会参加を推進するための世界的な取り組み。近年は「障害は身体的障害のあるその人本人ではなく社会の側にあり、障がい者の権利を保障し尊重しよう」という考え方が広がっており日本でも2016年に障害者差別解消法が施行されている。DET群馬は、車いすを利用するスタッフらで組織し、共生社会の実現に向け、学校や職場などでの研修を行っている。高崎商科大でも学生を対象に指導しているが、学生サービスの向上や指導に反映させようと今回初めて職員向けに実施した。

飯島代表は車いすの女性と階段、雑然と商品が並ぶ店舗の映像を示し「障害といえば障がい者自身を考えるが、実際は移動や買い物の不便など、むしろ人物の周囲に見つかるのでは」と呼びかけた。続いて障がい者と健常者の立場が逆転したドラマを上映。健常者の主人公が障がい者と健常者の立場が逆転した世界で、交通機関や店舗での利用拒否や、意思伝達に苦労するという内容だ。DETの細野直久さんは「現実に障がい者が遭遇している場面です」と語りかけた。飯島代表は「障がい者と障害は別のもの。平等な社会参加を認めないのが『障害』です。多様性を認める社会になれば障害はなくせます」と締めくくった。受講した同大職員の宮寺和也さんは「障害への考え方が大きく変わった。皆と共有し学校運営に生かしたい」と話した。

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