紫陽花寺社めぐり

花手水や御朱印で 季節感じて

関東もようやく梅雨入り。6月は例年、雨にしっとりと濡れる紫陽花が見頃を迎える時期だが、今年は各地で「遅れている」「花芽が少ない」などの声も聞かれる。一方、寺社では、手や口を清める手水鉢に花を浮かべる「花手水」や、紫陽花をモチーフにした限定版御朱印の授与を行っているところも。今週は、彩り豊かな花手水や御朱印で参拝者を迎える県内の寺や神社を紹介。
※写真と実際とは異なる場合があります。なお、参拝の際は感染症対策をしっかり行うとともに、現地での指示に従って行動しましょう。

お寺に足を運ぶきっかけに
恩林寺[邑楽町鶉]

邑楽町の東光山恩林寺でも境内に花手水を設置し、参拝者の目を楽しませている。前田貴洲住職は「季節を感じてほしいと始めた。お寺に足を運ぶきっかけになれば」と話す。6月の書置き御朱印(700円)は、紫陽花やカタツムリを見開き1ページに配置。なお、同寺は彼岸花の名所で、毎年9月には祭りを開催している。同寺(0276-88-3564)。

地元の協力で 華やかに
上野総社神社[前橋市]

前橋市元総社町の上野国総社神社では、手水舎(ちょうずや)の水面を紫陽花をはじめユリやバラなどが華やかに彩っている。近くの古民家カフェ「えんにち茶屋」が花の提供や入れ替えなどの協力を行っているという。また、紫陽花がデザインされている限定御朱印も授与中。同神社の根岸義貴宮司は「地域のつながりに感謝しています。コロナ禍ですが花を見て気持ちよく参拝してもらえたら」と話す。30日は午後1時から茅の輪をくぐって半年間のけがれを落とし、残りの半年も健康に過ごせるよう祈る祭典「夏越大祓神事」。同神社(027-252-0975)。

花で心を癒やして
玉村八幡宮[玉村町下新田]

本殿が国指定重要文化財である玉村八幡宮では、昨年1月からコロナ感染防止のため手水舎でのひしゃくの使用を中止。「花で心を癒やしてもらいたい」と同6月の「夏もうで」期間に合わせ花手水を開始した。現在は、町の花・バラをはじめ、境内に咲く紫陽花、近隣住民が提供してくれる庭の花などを浮かべている。夏越の大祓式(30日)と夏詣期間(30日~7月11日)は早朝参拝や特別御朱印の授与を行い、花手水も継続する。同宮(0270-65-2305)。

バリエーション豊か  ししゅう御朱印
光輝山松源寺[みどり市大間々町]

約800株の紫陽花が植栽されているみどり市の松源寺は別名「大間々のあじさい寺」。友人と初めて訪れたという海野直子さん(75=桐生)は「紫陽花の種類が多くてきれい」と話しながら境内を散策した。太田から遊びに来たという大隅駿一さん(28)と藤倉綾香さん(25)は「今の時期しか見られないのでたくさん写真を撮っていきます」と話した。6月はピンクや紫、青などの紫陽花が緻密に描かれた、ししゅう御朱印(600円)を授与している。同寺(0277-72-3340)。

紫陽花 下旬から見頃 花手水は7月から
青龍山吉祥寺[川場村門前]

境内にある100種類以上の花が四季折々に咲き「花寺」として知られる川場村門前の吉祥寺。今月下旬にかけて本紫陽花や額紫陽花のほか矢車薄荷、睡蓮などが見頃を迎える。7月1日から花手水と風鈴飾りを行う。6月の本尊様の御朱印には、山門と紫陽花をモチーフにした季節印が押される。入場料一般600円、小中高校生350円。同寺(0278-52-2434)。

「群馬のあじさい寺」 8の付く日は切り絵御朱印
祥寿山曹源寺[太田市東今泉町]

太田の祥寿山曹源寺、通称さざえ堂は国指定重要文化財。3階造りの本堂は、同じ道を通らず全ての観音様を参拝できるらせん構造になっている。境内には百株の紫陽花が植えられ、「群馬のあじさい寺」とも呼ばれる=写真左。毎月8の付く日には切り絵御朱印(600円)=同右=を授与(デザインは不定期に変更)。本堂や紫陽花をかたどった書置きの御朱印(300円)も。同寺(0276-25-1343)。

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