江戸と大正の「東海道五十三次」展

桐生・大川美術館 11日まで

桐生市の大川美術館で11日まで、企画展「『東海道五十三次漫画絵巻』と歌川広重『狂歌入東海道』」を開催中。江戸時代の浮世絵師と大正時代の漫画記者らが手がけた2つの五十三次から、時代を超えた街道や宿場の風景をうかがうことができる。

作品は、浮世絵師・歌川広重(1797~1858年)が残した多くの「東海道五十三次」のひとつ。江戸時代に流行した狂歌が画中に添えられており「狂歌入東海道」と呼ばれている。53の宿場に日本橋1枚と京2枚を加えた56枚で構成されている。

歌川広重《東海道五拾三次(狂歌入東海道)日本橋》1840年頃 大川美術館蔵

大正時代の「東海道五十三次漫画絵巻」は、芸術家・岡本太郎の父、岡本一平ら新聞漫画家が結成した東京漫画会によるもの。1921年、一行18人が自動車で日本橋を出発。京都まで各宿場をめぐるスケッチ旅行を行った際の水彩、水墨画のスケッチ55図からなる。

岡本一平《東海道五十三次漫画絵巻日本橋》1921年 大川美術館蔵

企画展は、広重の作品と漫画会の作品を並べて展示しており、時を隔てて描かれた作品を比較し鑑賞できる。また、同市ゆかりの画家・山口晃さんの「新東都名所東海道中日本橋改」も展示されており、学芸員の大谷明子さんは「江戸・大正・現代と各時代の名所を楽しんでほしい」と話す。午前10~午後5時。入場料一般1000円ほか。月曜休館。同館(0277-46-3300)。

掲載内容のコピーはできません。