特別展「光と風」開催

春の花や、風に揺れる野の草など約90点
富弘美術館(みどり市)

みどり市の富弘美術館の周辺でも、木々が芽吹き、花々が風に揺れ春が訪れている。同館では、春の花を中心とした特別展「光と風」を開催している。5月28日まで。

1946年、勢多郡東村(現在のみどり市東町)に生まれた星野富弘さん(76)は、群馬大学教育学部卒業後、中学校の教諭になるが、1970年、部活指導中に頸髄を損傷。口にくわえた絵筆で文字や絵を描き、独自の詩画作品やエッセイの創作活動を続けている。

9年間の入院を経て退院し、東村に帰った星野さんにとって春は特別。故郷の春について「長かった病院生活の後に迎えたふるさとの春は格別である。縁側に陽があたり、洗たく物がやさしくゆれる下で、ねこが柱をひっかいている。時間をかけてゆっくりと自然にとけこみ、ついに平凡という極みにまで達した美しさが、毎日惜しげもなく目の前を通り過ぎていく――」(詩画集『風の旅』「帰郷」)と語っている。湧き上がる喜びと共に春の花や草を描いた星野さんの詩画作品74点を始め、エッセイ、資料など約90点を展示する。

学芸員の相崎ちひろさんは、「春の光を浴びて輝く花や、優しい風に揺れる野の草を描いた作品を展示しています。ぜひご覧ください」と呼び掛ける。絵ハガキ特別セット「光と風」(5枚550円)も新発売。今月8日の午前11時半からと午後1時半からは、「季節の朗読会」。同15日と5月20日の午後1時半~午後3時半は、「折り紙教室・缶バッジづくり」(要入館料)。4月15日と5月13日の午後2時~ギャラリートーク。4月16、23日午後1時から「鈴のなる道を歩こう」(要予約)などイベントも満載。開館時間は、午前9時~午後5時。一般520円、小中学生310円。同館( 0277-95-6333 )。

花畑の丘を歩いているような春の風を感じさせる作品「サイネリア」(1989年)
「ポピー」(1997年)

 

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