伝統的であり、革新的である楽焼茶碗

前橋市の「にしかわ茶道具店」ギャラリーで「萬福堂 吉村楽入茶陶展」が4月14から20日まで開催され、窯元である伝統工芸士・吉村楽入(らくにゅう)さん(63)=写真左=の「楽焼」茶碗や皿などが展示された。県内外から多くの人が来店し、落ち着いた雰囲気の中で、茶碗の色や形を鑑賞した。

楽焼の窯元の代表で伝統工芸士、2011年には、京都市から「未来の名匠」に認定された吉村さんは、同志社大学卒業後、京都市工業試験場で研修。2代目楽入に師事し、3代目楽入として自作ブランド「萬福堂楽入」を展開。伝統ある中に、革新的な「絵付茶碗」を次々に発表し、全国で個展活動をしている。

「楽焼」とは、京都の清水焼の一つで、「ひねり成形」による自然な造形を持つ茶碗などの焼物。「引き出し焼成」という独特な焼成方法を行いる。その茶碗を約400年前に千利休が茶の湯で用いていたという。展示では、黒楽茶碗や赤楽茶碗など、どっしりした中にも、温かみがあり、その他、カラフルな皿や花瓶などの茶道具作品も並んだ。

吉村さんは、「13年ぶりに群馬に来ました。伝統ある技法を用いた日本の茶碗をご覧いただけてうれしい」と話した。同店では、「楽入作品を扱っているので気軽にご相談ください」と呼び掛ける。同店( 027-221-9944 )。

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