幸せに生きるために正しい性の知識を

産婦人科医・嶋田亜公子さん

小学生の娘を持つ嶋田さん。家庭での性教育など経験談も踏まえて伝えている

前橋市の産婦人科「ヒルズレディースクリニック」で医師として診療に携わる傍ら、講演やSNSで性教育に関する情報を発信している産婦人科医の嶋田亜公子さん(41)。「日本の性教育は先進国の中で遅れをとっていると言われているが、自分の体を守り幸せに生きていくために、性教育は必要不可欠」と話す。

予期せぬ妊娠や不妊に悩む患者と接する中で性教育の必要性を痛感した嶋田さん。「正しい知識がないために意図せず妊娠したり、妊娠適齢期を逃したりしてしまう人が多い。自分で納得して人生を選択していくためにも、幼いうちからきちんとした性教育がなされるべき」と昨年12月に活動をスタートした。体の仕組みや変化、避妊、妊娠などライフステージに合わせて必要な知識を身につけていくことが大切だと説く。

6月23日に学童指導員に向けて開いた講座では、「子どもを守る性教育」をテーマに日本の性教育の現状や指導のポイントについて解説。「ふざけて性器の名称を口にしたり、お尻を叩いたりしてしまう児童がいる」「ダメ! と制することはできるが、理由が教えられない」といった教育現場の悩みに対し、『プライベートゾーン』(水着で隠れる部分と口)を子どもとの共通言語にすることを提案。「プライベートゾーンは、他人に見せたり触らせたりしてはいけない自分だけの大切な場所。面白半分で口にするのもルール違反と教えて」と説明した。医師としての知見と自身の子育て経験を踏まえた嶋田さんの講演に、熱心に耳を傾けていた参加者の小林佳織さんは、「曖昧だった知識が明確になった。学童指導員をしているので、子どもたちの指導に活かしていきたい」と話した。

8月20日には、同クリニックで性教育イベントを開催予定。嶋田さんや神岡潔院長によるセミナー(無料・事前予約制)をはじめ、キッチンカーの出店や、ワークショップ開催などを予定。嶋田さんは「家族で気軽に来場してほしい」と呼びかける。        (林道子)

インスタグラムではおすすめの性教育の絵本を、著者の許可を得て紹介している

■HILLS LADIES CLINIC FAMILY FESTA 家族で『セイ』について考えよう
【日時】8月20日(日)
【場所】ヒルズレディースクリニック(前橋市総社町総社3607)
【セミナースケジュール】
・午前10~11時 「親子で学ぼう 心と体と命のこと」
 対象:小学生以下の子どもと保護者
・午前11時半~12時半 「赤ちゃんってどこから来るの?」に答えられるパパとママになろう』
 対象:夫婦・カップル
・午後2~3時 「子宮頸がんって知っていますか?予防のために私たちができることってなんだろう」
 対象:小学校6年生以上と保護者
■ 問い合わせは、027-253-4154(同クリニック経営管理部)。
■インスタグラム:@dr.tami.seikyouiku

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