落語家 林家つる子 来年3月真打昇進

披露興行3月21日から

来年3月に真打に昇進することが決まった高崎市出身の落語家、林家つる子(36)さん。今春先輩11人を抜いて昇進が決まり、3月21日から上野鈴本演芸場を皮切りに新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、国立演芸場主催紀尾井小ホールの5カ所45日間の「真打昇進披露興行」がいよいよ3月21日から始まる。

高崎市出身のつる子さんは、中央大学卒業後、2010年に林家正蔵(60)に弟子入り。「つるっとしていたから」という師匠のイメージから高座名が「林家つる子」に。当時、経緯を聞いた母親の須藤直子さんは「ぬるっとしていなくて良かったね」と励ました落語のようなエピソードもある。

15年に二ツ目になり精進を重ねるが、一方で「思うようにいかず結果がついてこない。向いていないのでは」と悩んだこともあった。やがてコロナで仕事が減り、動画を配信するうちに「応援してくださるお客様に笑顔になっていただけるように、挑戦を続けたい」と昇進を決意した。古典の名作「芝浜」を主人公の勝五郎の妻であるおかみさんを主人公に描き直す「女性目線の落語」に挑戦。ファンはもちろん今まで落語を知らなかった女性や若い人にも注目され、多くのメディアが取り上げた。以降、ジャンルを越えて活動の場を広げた。正蔵一門の習わしにもより、高座名は「林家つる子」のまま真打昇進する。

昇進決定の知らせを師匠から聞いた時、つる子さんは「前座時代のことや、父のこと、母のことが頭の中を駆け巡り『ありがとうございます』と泣きながらうれしい気持ちになりました。真打に向けて、この名前とともに羽ばたいていけるように日々努力、準備を重ねます」と意気込みを語った。

今後県内では、群馬出身の落語家4人が35市町村を巡る「上州事変」として、来年1月13日に邑楽町中央公民館で、2月18日には吉岡町文化センターで落語会。来年の真打披露興行について予約や問い合わせは、落語協会( 03-3833-8565 )。          (谷 桂)

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