ビエンナーレの鳥居作品を三夜沢赤城神社に

森の中で作品の鳥居を眺める渡邉さん

光の当たり方や風の吹き方で色合いや表情が変化する鏡を使ったアート作品の鳥居が、前橋市三夜沢赤城神社の鎮守の森に奉納された。

電気設備業ソウワ・ディライト(前橋市小屋原町)の社長でありアーティストである渡邉辰吾さん(46)が、今秋の中之条ビエンナーレ2023で赤岩神社に展示したアート作品「鏡界の鳥居」を、三夜沢赤城神社に奉納し、先週から参拝の際には見られるようになった。鳥居は拝殿に向かって右奥にあり、その先の線上には、祭事跡だった県指定史跡「櫃石」がある。

渡邉さんは、22年3月に同神社で行った交流イベント「赤城SUNdo」を開催した際、眞隅田吉行宮司(47)と出会った。それ以来親交を深めて、神社という特別な場所への設置に繋がった。

鳥居は高さ約5㍍で、ビエンナーレのための作品として、鏡を使い、通電すると赤や白に輝く。ただ、赤城神社に移すにあたり、渡邉さんは「鳥居は神社の豊かな自然環境や生態系を傷つけたり、神社のイメージに負担を掛けるようなものであってはいけないと思いました。宮司とも話し合い、有している光る機能を使わないようにしたのです。木々の中に見え隠れする鳥居に映っているのは、神社の森や自然の光りです。参拝の際にお立ち寄りください」と語った。眞隅田宮司も「光る機能を抑えて、鳥居のコンセプトを自然や神社の目線に合わせたら、違和感がなくなりました」と喜ぶ。今後は年に数回、光らせることも検討している。20日から12月12日正午までは、拝殿に縄が張られる御鎮祭神事だが立ち入り拝観可。同神社( 027-283-1268 )。    (谷 桂)

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