イタリアと日本の僧侶が世界平和祈る祈祷会

大般若経の「転読」ダイナミックに

蛇腹折りの大般若経をパラパラとひるがえし「転読」を行う僧侶ら=富岡

イタリアと群馬の曹洞宗僧侶らによる法要「日伊合同大般若祈祷会」が先月9日、富岡市上高尾の長学寺で開かれた。

当日は、イタリア・パルマ県の曹洞宗寺院「普伝寺(ふでんじ)」創建40周年記念行事の一環で、現地の僧侶や信者ら45人が来日。同寺院と縁の深い「曹洞宗群馬第13教区」に所属する甘楽富岡地域の僧侶や檀家らとともに般若心経を唱えながら国際社会の平和を祈った。

ほら貝の吹き方を練習するイタリア人ら=下仁田

同教区では、江戸時代後期から長学寺に伝わる2組の大般若経のうち経年劣化が激しかった1組を修復し、これまで同経を持っていなかった普伝寺へ贈るという大プロジェクトを2020年から開始し、完成した全600巻の経本を今年3月に寄贈した。

大般若経は約1400年前に三蔵法師がインドから持ち帰り中国語に翻訳したという仏教の経典。同祈祷会では、日伊の両僧侶らが同経を要約した般若心経を唱えたあと長学寺所蔵の大般若経をダイナミックにパラパラとめくる「転読」を行った。

このほかイタリア・普伝寺内の太鼓グループによる和太鼓演奏や、日伊の代表者によるパネルディスカッション、翌日には下仁田の長楽寺で、同教区が贈呈したほら貝の吹き方講習なども行われ、双方が交流を深めた。

●祈祷会の様子や大般若経修復プロジェクトの内容は同13教区HP(http://gunma13.main.jp/)内で発信中。

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