シリアの戯曲上演

人生を切り開く母娘2代の物語
前橋文学館で27、28日

㊧トルコ音楽演奏家の大平清さん ㊥文学座所属の梅村綾子さん ㊨中村ひろみさん

前橋文学館で今月27、28日、シリア人作家による戯曲「母と娘の物語 ハイル・ターイハ」が上演される。

今回の上演は、国際演劇協会日本センター(東京)が、2009年から取り組む「紛争地域から生まれた演劇シリーズ」。演劇を通して平和の構築を目指すプロジェクトの一環として、アフガニスタンやアルジェリア、パレスチナなどの戯曲を上演してきた。スタートから15年の節目を記念し、地域と連携した初の地方公演を全国5都市で開催。各地で演出や出演者数などが異なり、前橋では、語りと音楽で描く「リーディング公演」を行う。出演は、同市で「演劇プロデュースとろんぷ・るいゆ」を主宰する中村ひろみさんと、文学座所属の梅村綾子さん。演出は中村さんが担当する。このほか、トルコ音楽演奏家の大平清さんが、中東の民族楽器を演奏。

上演作品は、シリア出身の作家、アドナーン・アルアウダさんの戯曲を原作としている。ベドウィン族とクルド人の間に生まれた娘ハイルが、因習と現代的な生活のはざまで揺れながら、母のターイハと共に人生を切り開く母娘2代の物語だ。中村さんは「女性が恋をして結婚し子どもを産み育てる。遠い国で、私たちと同じ様に人生を生きる母と娘の物語が、シリアという国について知るきっかけになれば嬉しいです」と話す。

公演は、27日の午後1時、同5時。28日の午前11時、午後3時の各日2回。全席自由一般1500円、学生500円。

また、公演に先駆けて、あす20日に無料の事前レクチャーを開催。希望者は午後3時にアーツ前橋に集合。出演者らが物語について解説するほか、シリア人女性を支援する考古学者・山崎やよいさんが登壇し、シリア情勢などについて語る。事前レクや公演チケットの予約、問い合わせは中村さん( 090-4249-9127 )へ。

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