梅の開花のたよりがちらほらと聞こえてきました。群馬には「ぐんま三大梅林」があり、全国2位の生産量を誇る梅の産地となっている。毎年2月から3月にかけては各地で梅まつりが開催され、様々な加工品も販売される。今週は、群馬の梅を使った新たな取り組みや商品などを紹介する。(上原道子)
あんなか梅スイーツ
「市の新たな名産品に」
安中市商工会に加盟する市内の14事業者が、市内産の梅を使ったスイーツを開発した。
三大梅林の一つ秋間梅林のある同市は古くから梅の産地として名高く、市内には江戸時代から続く老舗から若い店舗まで数多くの和洋菓子店がある。これらを生かして町おこしにつなげようと同商工会は昨年、「あんなか梅スイーツ」の事業を企画。参加事業者が市内産の梅を使ったオリジナル菓子の開発に取り組んだ。
商品には、近年立ち上がった地元の梅加工業者による梅のジャムやパウダー、エキスなどを使用。これにより、原材料の調達から加工、製造、販売まで「オール安中」となる商品が誕生した。
同商工会の上原英之事務局長は、「観光客が安中ならではお土産として、また、市民がおやつや贈答品として購入できるよう盛り上げていきたい」と話す。
先月には市内で完成品試食会が行われ、「梅しょうゆロールケーキ」「ウメのクリームサンド」「梅ソルベ」「梅餅」など各店舗が趣向を凝らした17品目の和洋菓子がお披露目となった。同スイーツは、すでに販売を開始している店舗もあるが、2月24日の秋間梅林「開花祭」の会場でも販売予定だという。
秋間梅林×白井屋 ハンバーガー 洋風おでん
「梅の新たな楽しみ方を」
前橋の白井屋ホテル内のレストラン「ザ・ラウンジ」では、秋間梅林活性化協議会とコラボした「秋間の梅バーガー」(税込2300円)を25日まで提供中だ。
ボリューム満点のハンバーガーに、秋間産の梅を使った特製ソースをつけて食べる。ソースは香りのよい梅の果肉とジャム、刻んだエシャロットをブレンド。別添えなので、具材の間に挟んで一気にかぶりついてもよし、ナイフとフォークで少しずつ切り分けながら付けて食べてもよし。甘みと酸味のバランスが取れていて、各具材との相性も抜群だ。バーガーは、紅梅をイメージしたという、ほんのりピンクがかった直径9㌢のバンズに、赤城牛100㌫のパティ2枚、ソテーしたレンコン、オーブンでローストしたタマネギ、大葉、チコリ、マヨネーズを挟んだ、贅沢な一品となっている。
ザ・ラウンジの市川美香シェフは、「白井屋の看板メニューであるハンバーガーと秋間の梅とのコラボという、新しい梅の楽しみ方を体感してください」と呼びかける。
また、今月17日に開園する秋間梅林内の各売店では、同ホテルとコラボした「梅香る洋風おでん」を販売する。粉チーズ、パン粉、黒コショウをまぶしたコンニャクに、ホワイトソースをベースに練り梅や梅ジャム、ハチミツなどで仕上げたソースを付けて食べる。園内で「観梅食堂」を営む、同活性化協議会会長の土取ひろみ会長は、「梅とチーズが意外にマッチしておいしいですよ」と話す。いずれのメニューとも同ホテルのヘッドシェフ・片山ひろ氏が監修。同ホテル( 027-231-4618 )
【秋間梅林祭】
2月17日~3月下旬。50㌶の丘陵地に3万5千本の紅白梅が植えられ、梅林内の遊歩道を散策しながら観梅が楽しめる。期間中は郷土料理が楽しめる売店やマルシェがオープン。24日は神社の衣装体験や雅楽演奏。25日の開花祭では梅の枝配布や和太鼓演奏を行う。また、3月16日までの金・土曜は梅のライトアップも。安中市観光機構( 027-329-6203 )。
梅ジェンヌショコラ 赤城フーズ(前橋)
「梅の甘酸っぱさとチョコのまろやかさに癒やされて」
県産梅を使用した人気の梅製品「カリカリ梅」を手掛ける赤城フーズ(前橋)では昨秋、梅とチョコレートをコラボさせた新商品「梅ジェンヌショコラ」を発売した。
カリカリ梅を刻んでドライフルーツ状にし、ホワイトチョコレートにトッピング。梅の酸味とチョコレートの甘さが意外にマッチする逸品だ。
元宝塚俳優で6代目社長を務める遠山昌子社長は、「『あまい愛の味』をテーマにした梅ジェンヌシリーズの第2弾。大切な人へのプレゼントに最適です。また、疲れた時やほっこりしたい時などに召し上がって、やさしい甘酸っぱさとホワイトチョコのまろやかな甘さに癒やされていただきたい」と話す。
なお、同商品のパッケージは先月、県内の優れた工業製品などを県が推奨する「令和5年度グッドデザインぐんま」に選定された。同社の通販サイトのほか物産館などで販売中。16枚入り。税込1814円。
同社直販直通( 027-261-2345 )。
前商生が梅ジェンヌをシェイクに
前橋商業高商業科商業科3年生の大森泉澄さん(18)、飯塚柚杏さん(同)、春原柚子咲さん(同)、鏑木楓葉さん(同)の4人が赤城フーズの「梅ジェンヌ」を使った「梅ジェンヌわらびシェイク」を開発した。10~12日に、市内の老舗甘味処ことほぎで販売される。
「課題研究」の授業の一環。群馬は梅の生産量が2位だが消費量が少ないこと、全国的に梅離れが進んでいることなどを知り、テーマに「脱・梅離れ」を掲げた。若者に好まれるシェイクにすることで、梅が苦手な人も飲みやすい商品を作ろうと昨秋から取り組み、2社の協力を得て完成させた。4人は、「シェイクの甘みで梅の酸味が薄れて飲みやすい。色々な食感も楽しめます」とアピールする。