手で触れて遊ぶ立体かるた

「みんなとつながる上毛かるた」
クラファン3月末まで

全盲の彫刻家・三輪途道さんが代表をつとめる一般社団法人メノキが、昨年製作した触れて遊べる立体上毛かるたの普及を目的に、クラウドファンディングで資金を募っている。かるたの改良版の制作と、普及・研究のための活動費として、350万円の資金調達を目標に掲げている。3月31日まで。

かるたは、視覚障がいの有無にかかわらず誰もが楽しめるコミュニケーションツールとして「上毛かるた」を再解釈して開発。三輪さんが木板に紙粘土で絵札を形づくり、それをヒノキの板に彫ったものを元に、視覚に頼らず絵札の凹凸を触って遊べる、樹脂製のかるたが完成した。

遊び方は、絵札を触って読み札を当てたり、並べて神経衰弱をしたりと多様。視覚に頼らずに触って感じ取る「触察」の可能性を多くの人に知ってもらおうと、今後は、より使いやすく遊びやすいものへと改良し、将来は紙への立体印刷による商品化も視野に入れるなど、地域の文化資源を使った「触察文化」の研究普及活動の継続を目指す。

かるたの原型となった三輪さんの初版作品は、絵札と読み札がヒノキの箱に納められた漆塗りのアート作品=写真=で、現在、県立館林美術館で開催中の「ヒューマンビーイング-藤野天光、北村西望から三輪途道のさわれる彫刻まで」(4月7日まで)で、展示されている。三輪さんは「札の彫りの深さ少しの差で伝わる情報量は大きく変わる。初版で得た学びをもとに改良版を作り、触覚を通じて対話する「触察」の世界をたくさんの人に知ってほしい」と話す。

支援は、クラウドファンディングサイト「Camp Fire」のほか、メノキへ直接の申し込みも受け付ける。問い合わせは、メノキ( 080-6645-1779 )へ。

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