高崎芸術劇場×Blue Note Tokyo 共同のジャズ・ライヴ

海外レジェンドから次世代を担う若手まで

―どのような経緯で始めましたか?
高崎では以前から世界的なクラシック音楽家のコンサートが行われていましたが、2019年の高崎芸術劇場の開館を見据えてジャズやポップスでも高水準なラインナップが求められました。そこでプライベートでも足しげく通っていた「ブルーノート東京(BNT)」とのコラボレーションを思い付いたのです。BNTは歴史と実績のある日本を代表するジャズクラブです。今まで公共ホールと組んだ前例がないBNTにとって、当方の提案には困惑もあったようですが、「街の文化的背景や新劇場への思い」を伝え続けて交渉を進めました。その結果、現在BNTとは「共同招聘」という形で役割とスケジュールをシェアして海外アーティストの公演を創り上げていくスタイルが定着しています。お互い緊張を伴いながらWin-Winの関係を築けていると実感しています。

― どのようにアーティストを選んでいますか?
次世代を担う若手からジャズ界の大御所まで幅広く選定しています。特に高齢の海外アーティストの来日は貴重で、機会を逃す訳にはいきません。海外渡航が再開した昨年からはロン・カーター(ベース、昨年8月)やスティーヴ・ガッド(ドラムス、今年1月)といったレジェンド級のミュージシャンの来演が相次ぎ、往年のファンは沸き立ちました。「地元でライブを聴けるとは思わなかった」といったお客様の「まさか」の反応が寄せられると主催者冥利に尽きる心地です。裏方をして印象的なシーンにも出会えました。昨年9月に来演したピアニストのボブ・ジェームスは持参の電子ピアノを使用することを常としていましたが、リハーサルの際、急きょ高崎芸術劇場のグランドピアノを弾くことを決めました。劇場や会場のスタジオシアターの雰囲気なのか、これにはBNTの関係者も驚いていました。ライヴはこの街らしいとても温かい雰囲気で包まれ、巨匠が奏でる無二のアコースティックな音色とともに深く記憶に残っています。

―おすすめの公演を教えてください。
明日は、レイラ・ハサウェイが魂を揺さぶるヴォーカルで魅せてくれるはず。4月23日は、世界中に影響を与え続けているベース界のカリスマ、リチャード・ボナが来演します。いつかノラ・ジョーンズやパット・メセニー、ロバート・グラスパーなども迎えてみたいです。劇場スタッフとしても、ファンとしても、ステージへの夢は尽きません。

昨年12月にブルーノート東京とコラボした「オールスター・ジャズ・オーケストラ公演」(高崎芸術劇場大劇場)

高崎芸術劇場 事業課 岩田 友さん
2016年 高崎財団に入職、2017年から新劇場の準備で事業企画に携わる。2019年より高崎芸術劇場でジャズ・ポップスの公演を担当

3月11日「レイラ・ハサウェイ」、4月23日「リチャード・ボナ」
共に午後6時開演、全席指定5500円(税込)。同チケットセンター( 027-321-3900 )。
HP:http://takasaki-foundation.or.jp/

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