78年前の前橋空襲を忘れないで!

まえばし市民ミュージカル「灰になった街」
8年ぶり いよいよ来月公演

4月23日のプレ公演の舞台より

―「灰になった街」とは、どのようなミュージカルですか?

昭和20年8月5日、群馬県前橋市はアメリカ軍の空襲により全市が焼け野原になり、多くの市民の尊い命が失われました。あの悲惨な戦争を2度と繰り返さない、その歴史を風化させないことを願って、前橋女子高の教諭だった新陽一が総監督・脚本・演出、前橋市出身の作曲家・神山奈々が作曲し、2015年に「灰になった街」の初演が行われましたが、それからコロナもあり、今回は8年ぶりの再演です。

―どのようなストーリーですか?

昭和16年12月、真珠湾攻撃の大勝利に日本中は沸き返っていましたが、前橋の桑町商店街も例外ではありませんでした。しかし、昭和17年も半ばを過ぎると戦局は陰りを見せます。その中でも前橋高等女学校生は、歌を歌い、ダンスを踊りと少女らしく夢を見ながら学校生活を送っていました。

その頃、新前橋の理研研究室では新兵器風船爆弾を開発。資源が不足する中、爆弾を吊るした気球を、アメリカまで飛ばそうという兵器でした。爆弾の研究に取り組む研究員に心惹かれる女学生や群馬に交響楽団を創る夢を持ちながらも還らぬ出撃をする学徒動員兵に心をときめかせる女学生など、様々な想いもありながら、昭和20年8月5日夜、B29の大編隊が前橋の街に襲い掛かるのです。女学生、研究員、街の人々は…。ストーリーはフィクションですが、比刀根橋防空壕で被災し奇跡的に助かった人の体験談や前橋の歴史資料などを参考に脚本が作られています。

―公演の魅力についても教えてください

このミュージカルの出演者は、昨年8月のオーディションで選んだ10歳から60代半ばの一般の人たちで、プロはいません。1年間かけて歌や踊り、芝居を必死で練習して公演に臨んでいます。そういう私も、4年前に前橋空襲3部作3作目の「鎮魂華」でミュージカルに初挑戦して魅力に惹かれ、今回が2回目です。出演者の中では、最高齢で、ダンスがなかなか覚えられず、本番が心配ですが、懸命に練習をしています。舞台では、前橋のいろいろな場所が登場しますので、どこが出てくるのかに注目して、観るのも興味深いと思います。皆様のご来場をお待ちしております。

まえばし市民ミュージカル実行委員会 事務局長 大谷 明さん
戦時下の前橋で生き抜く女学生などを通して描かれた3作目の「鎮魂華」でミュージカル初挑戦。2022年5月から事務局長を務める。

■まえばし市民ミュージカル「灰になった街」
昌賢学園まえばしホール大ホール。8月5日・6日。午後1時開場、同1時半開演。同5時頃終演。ダブルキャスト、両日とも公演内容は同じ。料金1000円(全席自由)。チケットは、同ホールで販売中(027-221-4321)。または、電子チケット https://teket.jp/6406/21633 も利用できる。大谷さん(  090-2202-2611  )。

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