美術館・図書館で、アートを通して故郷にふれる

展示室1の様子(撮影:吉江淳)

開館3周年記念展「HOME/TOWN」

当館では5月30日まで、開館3周年を記念し「HOME/TOWN」を開催しています。本展開幕のほぼ1年前、螺旋構造とその意義に対して新たな視点を投射する展覧会「2020年のさざえ堂―現代の螺旋と100枚の絵」を開催しました。同展はその後臨時休館を経て、最終的に会期半ばで閉幕となり以後年内の展覧会事業が延期となりました。

およそ1年にわたる美術展休止状態からの再起は、今年1月5~24日に実施した「2020イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」。同展では371点の絵本原画が来場者を迎え、シャッターが閉まりきりだった展示室に活気が戻りました。

清水房之丞/デザイン:平野篤史 「桑畑の草刈り」(撮影:吉江淳)

さて、今回の記念展は、改めてこの土地の風土を見つめ直す企画として美術家・片山真理(1987年~)、詩人・清水房之丞(1903~1964年)、写真家・吉江淳(1973年~)の作品を展示しています。

会場には、太田市にゆかりのある3人がホームタウン(=故郷)と、それに関連する事柄に眼差しを向けて制作した作品が並んでいます。「故郷」がテーマであるからといって、ノスタルジックにこの太田市を見つめたり、手放しに礼賛したりするような短略的な表現は見当たりません。この土地を離れたり、戻ったりした、あるいは離れなかったそれぞれの作家が、一人の生活者として、そして表現者として、この土地と接した結果としての景色が、写真やインスタレーション、そして詩によって現れています。個人の歴史のうえに成り立つホームタウンの光景から、太田の風土を見つめていただくと共に、ご覧になる方々それぞれの故郷にも思いを巡らせていただきたいと思います。

また、4月17日には美学研究者の青田麻未さんによる関連講演会「地元と感性:親しみの経験について」を開催予定です。「地元」を私たちがどのように感じ取り、接しているのかを、「親しみの経験」という観点からお話しいただきます。詳細は当館HPをご覧ください。

太田市美術館・図書館学芸員
矢ヶ﨑 結花 さん

諏訪市美術館(長野県)学芸員を経て、2020年4月より太田市美術館・図書館学芸員。これまで、「高木こずえ写真展 SUZU」、「上諏訪中学校+常田泰由 かたちをみつけて」(いずれも諏訪市美術館)などを担当

■太田市美術館・図書館(太田市東本町16・30■0276・55・3036■5月30日まで■午前10時~午後6時(入場は午後5時半まで)■月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日)休館、■一般500円、65歳以上・高校生以下は無料、「おおた家庭の日」(4月4日、5月2日)は中学生以下のお子さん同伴のご家族は観覧無料

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