ハード面の可能性とソフト面の充実を求めて!(vol.209)

防災エキスポでは、災害時を想定し避難訓練を実施しました=渋川市伊香保

当館は昨秋、災害時に様々な理由で避難所に入れない人たちの一時避難所になる「借り上げ福祉避難所(宿泊施設避難所)推進施設認証」を国内で初めて取得いたしました。

取得にあたりセミナーや実地訓練を行いましたが、参加したスタッフは多くの学びと気付きを得ました。継続して防災訓練や防災意識を持つことが大切であると実感、認証1年を機により多くの方に災害について考え、福祉避難所について知ってもらおうと先月30日、「みんなで考えるミニ防災EXPO」を初めて開催しました。

EXPOでは、展示会や体験型講習会を行いました。「楽しく学ぶ、しっかり考える」をコンセプトに、有意義な時間を参加者の皆さまと共有できたと思っています。

「平時に知識を蓄え、災害時に備える」 1年に1回でも自らそれを知り、考え、行動できる時間をつくることは、普段の意識向上となり日々の行動を変える一歩になるのではないでしょうか?

2014年の豪雪の際、私は女将として災害対応を経験します。大雪の翌朝、宿泊客が帰宅困難になり翌日もその宿泊客を受け入れることになりました。食事はストックしてある在庫から、おにぎりとお味噌汁を提供。幸い停電は解消されていたので暖房設備、温泉設備は不備なく活用できました。また、浴衣の取替を行い衛生環境も保たれました。この時、私は災害時における旅館のハード面に大きな可能性を感じたのです。そして、学びを得た今、災害時には旅館における「おもてなし」というソフト面が大事になると感じています。

平時はもとより災害時の際も、旅館のハード面の可能性とソフト面の充実を目指し、これからもスタッフと共に日々、邁進していきたいと思います。

伊香保温泉旅館「秀水園」社長
飯野 由希子さん

【略歴】6年渋川市伊香保生まれ。。東洋大学卒業後、1999年スエヒロ商事株式会社勤務を経て、2002年に有限会社秀水園に入社。04年に伊香保温泉旅館の若女将など3人と「伊香保おかめ堂本舗」を発足。若女将として伊香保温泉の活性化に取り組む。2012年に有限会社秀水園取締役社長に就任

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