菅原 暉

チームが優勝するための重要なピースになりたい

もがきながら選手としての成長を続ける菅原暉(2023年10月28日茨城ロボッツ戦、オープンハウスアリーナ太田)

覚醒が待たれるのが、チーム在籍3年目の菅原暉、25歳だ。今季3分の1の20試合を終えたの菅原の成績は、1試合の平均プレー時間が13分06秒(昨季14分46秒)、2ポイントシュートの成功率25%(同39・5%)、3成功率14・3%(同28・0%)、1試合の平均アシスト数1・2本(同2・5本)と数字だけを見れば、調子が上がっていないように見える。しかし、人はジャンプする時にいったんしゃがみ込むように、菅原にとって今は、選手としてさらに大きく飛躍するための成長期間なのかもしれない。  (星野志保)

 

「シーズン初めはすごく良い感覚があったんです。主力2選手がケガで抜けたことで、ローテーションを変えたりして、自分のプレータイムも少なくなって、自分を見失う場面もありました。自分で自ら調子を落としていった感じです」と苦しい胸の内を明かしてくれた菅原。

10月21日の三遠ネオフェニックス戦から11月12日の川崎ブレイブサンダース戦までの10試合で、トレイ・ジョーンズとベン・ベンティルの主力2人をケガで欠いていた。その間チームは2勝8敗と勝てない状況が続いた。

そんな中で菅原は気持ちを切り替えてバスケットに取り組んだ。

なかなか結果が出ないことに、水野宏太ヘッドコーチからは、淡々とプレーするのもいいけれど、短い期間で爪痕と残すために気持ちを前面に出してプレーすることの大切さを指摘された。

「自分は感情を前面に出してプレーするタイプではないですが、泥臭いことをもう一度しっかりやれば、自然と良いプレーができるのかなと思います」と、ヘッドコーチの言葉を胸に刻んだ。

今季、チームは、チャンピオンシップ進出を本気で狙うため、辻直人やコー・フリッピン、ベン・ベンティルといった実績十分の選手を補強。辻とフリッピンは、菅原と同じガードのポジションである。

「彼らから学ぶことはあります。辻さんならシュート力。それにボールハンドルも上手いので、見て勉強しています。コーは、ディフェンスがとてもいいんです。アグレッシブに堅く守る。攻撃ではアタックする時の見分け方を学んでいます」

菅原の今季の目標は、チームの優勝に貢献すること。

「チームが優勝するための重要な一つのピースになりたいんです。そのためにはチーム皆の信頼を勝ち取らなければなりません。そこは自分を信じてやっていくだけです」
チーム1、2位を争う努力家の菅原が覚醒する時を期待したい。

すがわら・てる

1998年5月27日生まれ、岩手県出身。筑波大学3年次で横浜ビー・コルセアーズに、4年次で群馬クレインサンダーズに特別指定選手として加入し、翌2021-22シーズンから、正式にサンダーズの選手となった。大学3年次でインカレ優勝、大学4年次には主将としてインカレ準優勝を経験。U-18、22日本代表候補となるなど、将来を期待される若手選手の一人。3シーズン目の今季は20試合すべての出場。チームの勝利のために、努力を惜しまない頑張り屋でもある。ポジションはPG、背番号14、183㎝・83㎏。

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