J2  [ザスパクサツ群馬](Vol.30)

笹川裕昭のスポーツコラム

今こそザスパを県民、ファン、サポーターの力で群馬の誇りへ押し上げたい

1万人を超えたスタジアムから生まれる声援と拍手は、いつも以上に選手たちを支えてくれました

8月6日に行われたザスパ対栃木の試合は、来場者1万人を目指す「1万人プロジェクトDAY」と銘打ち、様々な取り組みが行われ、その結果、10823人を集めて試合もザスパが1対0で勝利する最高の形となりました。ゴール裏はもちろん、メインスタンドからバックスタンドまで、びっしりと埋まったスタジアムは、「あの日」見た光景と同じようでした。

「あの日」とは、ザスパがJリーグを目指していた頃の話。当時は、多くの人がザスパの活躍に熱狂し、スタジアムには多くの県民、ファン、サポーターが詰めかけてくれました。しかし、Jリーグに上がってからは成績面で低迷、また、クラブ経営、環境整備でもうまくいかず、J2下位、残留争いが定位置になると、スタジアムに訪れる人もどんどん減りました。

ところが、今シーズンは、大槻毅監督2年目で監督のスタイルの落とし込みに成功し、リーグ8位と好位置をキープしたまま、後半戦の戦いを続けています。最前線で戦うチームは、これまでも苦しい台所事情なりに頑張っていましたが、それを支えるサポート体制を築けなかったため、その頑張りが続かないというもどかしい時間が続きました。

ただ、そんなチーム任せになっていた状況も改善されそうです。来シーズンからザスパが利用できるように、前橋市内にクラブハウス付き専用練習場の建設に着手、完成すれば、よりサッカーに集中できるのはもちろん、チーム、クラブ一体となった活動が期待されます。さらに、ザスパクサツ群馬という名称は残るものの、ザスパ群馬という呼称を使用し、合わせて、クラブロゴ、エンブレムも新しいものへと刷新されることになりました。こうした動きに拒否感を抱いた方々もいなかったわけではありませんが、最終的には、新たな時代を切り開こうとするザスパの思いに共感してくれた方が多くを占めました。

チームとクラブがかみ合って大きな飛躍を成し遂げようとするタイミングは、そうそう来るものではありません。このチャンスをつかめるかどうか。それは、後半戦のザスパの戦いやクラブの頑張りもそうですが、あの日、ザスパをJに押し上げた時のように県民、ファン、サポーターの後押しが不可欠なのです。次回ホームは20日、ツエーゲン金沢戦です。ザスパに関心を持ち、ぜひスタジアムでエールを届けてください。強くて、誇れるザスパは私たち自身が作るものなんだという事を証明しましょう!

笹川裕昭
Sasagawa hiroaki

1978年3月28日生まれ、埼玉県さいたま市出身、大東文化大卒。ラジオ局エフエム群馬で、アナウンサーとして、スポーツ実況や朝夕のワイド番組に出演。現在は、株式会社フットメディアに所属し、スポーツ実況を中心に県内外で活動。個人サイト「SASAnote」(https://sasanote.net/)を運営し、県内スポーツの情報発信も行う
Twitter:@hiro3sa
Instagram: hiro3sa_insta

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