月命日 [「一月往ぬる、二月逃げる、三月去る」の諺通り1月も終わり、あっという間に2月…]

「一月往ぬる、二月逃げる、三月去る」の諺(ことわざ)通り1月も終わり、あっという間に2月。生まれ月の如月は、自分にとって特別な月だ。祖母や親友など、縁の深い人も2月生まれが多い気がする。 母方の伯母もその一人。誕生日が1日違いとあり、米寿を迎えた昨年もケーキを食べながら互いの記念日を一緒に祝った。明るく前向き。縫製や切り絵、フォークダンスと多趣味でアクティブ。伴侶を亡くし20年以上一人で暮らし、家族親戚からも愛され慕われていたが昨年11月に亡くなった。体調を崩し入院したと思ったら、2週間も経たぬうちに帰らぬ人に。末期がんだった。
 
病院に見舞った時は、既に昏睡状態。会話は出来なかったものの、握った手は柔らかく表情も穏やかだった。色んな洋服を作ってくれたこと、美味しいものをご馳走してくれたこと、落ち込んだ時に励ましてくれたこと。言葉では言い尽くせない程の感謝の気持ちを伝えた。
 
「人は生きたように死んでいく」 急逝に呆気に取られたものの、気丈でサッパリとした伯母らしく、人生を生き切った清々しさを感じた。彼女の死から3カ月。25日の月命日がもうすぐやってくる。翌日は生きていれば89歳の誕生日だ。恒例のケーキを持って、大好きな伯母に会いに行こうと思う。

(中島美江子)

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