サッカー J2 [ザスパクサツ群馬](Vol.11)

笹川裕昭のスポーツコラム(月1回掲載予定

選手の気持ちを掴む大槻ザスパに注目

新シーズンの抱負を語る大槻監督(前橋のアースケア敷島サッカー・ラグビー場)

サッカーJ2ザスパクサツ群馬の新しい監督に、J1浦和レッズ元監督の大槻毅氏(49)が就任しました。浦和時代は3シーズン監督として指揮。2019年にはアジア№1クラブを決めるAFCアジアチャンピオンズリーグで準優勝という実績を持った指導者です。浦和では、オールバックのヘアスタイルにスーツ姿で睨みを効かせた見た目から、「組長」、「親分」などと呼ばれ、サポーターに愛されていました。早くも、ザスパサポーターは、「ザスパ大槻組、爆誕!」などと期待し盛り上がっている様です。

ただ、見た目の「武闘派」なイメージとは異なり、指導者としては、戦術は緻密で、分析力に優れ、そして、人の心を掴むのが上手いという評価があります。その一端を、早くも先月10日の練習初日に目の当たりにする出来事がありました。

練習後に行われたサポーター向けのトークショーで出演を入れ替わる際、監督がひと言、「この後、選手たちが登場します。今いただいた拍手の何倍もの拍手で迎えてください」と呼びかけたのです。前段のように、非常に名の通った監督です。ともすれば、選手よりも監督に注目が集まってしまいます。その言葉から、「主役はあくまでも選手たちでありたい」、「新シーズン、ザスパのため、サポーターのため、そして、群馬県民のために頑張る選手たちに注目して」という思いが伝わりました。初めてサポーターの前に登場する新加入選手たちに、「君たちはこんなにも期待されているんだよ!」と盛り上げて選手の気持ちを掴みました。人心掌握に優れた大槻監督の指導者としての力量を見ることができました。それを受けて、サポーターも大きな拍手で選手たちを迎え、トークショーは楽しい時間になりました。

今シーズンのJリーグは、冬開催となるW杯のため、1週間早く開幕し、1か月以上早く終了する異例のスケジュール。ザスパの開幕戦は来月19日、20日、ホームでモンテディオ山形と対戦します。開幕から大槻監督の作り上げるサッカーはもちろん、チームをまとめていく、メッセージ力にも注目してみてはいかがでしょうか?きっと気が付けば、あなたも大槻ザスパの虜になっていることでしょう。

笹川裕昭
Sasagawa hiroaki

1978年3月28日生まれ、埼玉県さいたま市出身、大東文化大卒。ラジオ局エフエム群馬で、アナウンサーとして、スポーツ実況や朝夕のワイド番組に出演。現在は、株式会社フットメディアに所属し、スポーツ実況を中心に県内外で活動。個人サイト「SASAnote」(https://sasanote.net/)を運営し、県内スポーツの情報発信も行う
Twitter:@hiro3sa
Instagram: hiro3sa_insta

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