抜群の包容力 [春になると、外に出かける機会も一気に増えてくる…]

春になると、外に出かける機会も一気に増えてくる。週末の公園は、シートを広げてお弁当を囲む家族連れでにぎわっていた。私もこの週末は大きなイベントがあり、お弁当を作ろうということになった。普段ならおにぎりが定番なのだが、今回、前から気になっていたアレに初挑戦してみた。

それは、おにぎらず。おにぎりのように握らず、海苔にご飯と具材を並べて、折りたたむように包んでいくという作り方。具材の組み合わせは無限大だし、断面も美しく、春の行楽にぴったりだ。SNSの動画でおにぎらずの構造を理解し、いざ、初おにぎらず。

具材は何にしよう。スーパーのお総菜コーナーでとんかつやアジフライを買ってきてメインとすることに決めた。あとは冷蔵庫に余っていたピーマン、かにかま、きんぴらごぼう、大葉などを総動員。それぞれ刻んで小皿に並べたら準備完了だ。

海苔1枚をまな板の上に敷き、1カ所に切り込みを入れる。正方形が4つ並んだイメージで、それぞれの面にご飯、具材を載せていく。各面をパタン、パタン、パタンと順番に折りたたみ、最後はラップでぎゅっと包む。ご飯や具材が多すぎてあふれ出しても、ラップで強く包めばまったく問題なし。この安心感、最後は絶対に丸くできあがるたこ焼きと似ている。少しなじませて半分に切れば完成。断面をみて、歓声をあげてしまった。

まだまだ改良の余地はあるが、いろんな味にチャレンジできそう。何より、抜群の包容力なので片手でつまめるお弁当として活躍してくれそうだ。

㊨あじフライ ㊧とんかつ 海苔の切れ目は、ご飯とかにかまの面の間に入れる
完成 断面図も楽しいおにぎらず。あじフライは、もう少し具材を入れてもよかったか

(朝日新聞社前橋総局長 宮嶋 加菜子)

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