イチオシ群馬のすがた [「このけやき並木を見るためだけに、もう一度、前橋に行きたい」と米国出身の東洋文化研究家が絶賛したJR前橋駅前から連なる風景…]

「このけやき並木を見るためだけに、もう一度、前橋に行きたい」と米国出身の東洋文化研究家が絶賛したJR前橋駅前から連なる風景。「千と千尋の神隠し」に登場する湯屋のイメージモデルになったと言われる四万温泉の老舗旅館。SF映画の近未来都市のように幻想的な輝きを放つ工場夜景……。前橋総局の記者たちがイチオシする群馬のすがたを描いた連載を新年の群馬版に掲載しました。読者の方からも励ましのお便りを頂きました。

「魅力度」なるものをランキングにすると常に下位に並べられますが、あちこちに魅力はあふれています。群馬県出身の私も前橋総局に赴任してもうすぐ4カ月。新鮮な野菜や肉のうまさにうなり、風景のすばらしさにいやされています。

高崎出身の枝優花さん監督のドラマ「こむぎの満腹記」がテレビ東京で昨秋放送され、最近も再放送されました。東京の女子大学生が、高崎の飲食店で小麦由来の料理に触れる物語。「なんでこれが地元の名産なのか今まで考えたことなかったわ」と言い、絶品を出す店員の姿に主人公は「全然主張してこないというか、アピールしてこないというか、アピール下手というか……。なんか推せる!」とファンになります。

「魅力度」とは誰にとっての物差しなのかでまったく変わります。そこに暮らす人にとっての魅力が大切です。新年のあいさつで前橋商工会議所の金子昌彦会頭が「私はこの街が大好きです!」と宣言していたのが印象的でした。1月9日には400年以上の歴史がある「前橋初市まつり」にも出かけました。前橋の中心街に人があふれ、だるまが並んだ風景を見ながら故郷の希望ある未来を願いました。

ずらりと並んだ新しいだるま。大勢の人が買い求めていた=前橋市

(朝日新聞前橋総局長 八木 正則)

 

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