オール群馬[6月14日号]

お久しぶりです。この間、地元のさまざまな方々と地酒をたしなむという会が前橋市であり、お誘いいただきました。そういえば、群馬の酒をちゃんと飲んだことがない。いや、もしかしたら飲んだはずなのに、ちゃんと覚えていないだけかもしれない。いずれにせよ、「勉強せねば!」との思い(?)から、参加させていただきました。

その日のメインは、オール群馬県産の日本酒「舞風(まいかぜ)」でした。主原料である酒米の「舞風」、酵母の「群馬KAZE酵母」、そして水のいずれも県産とのこと。16の酒蔵が同じ酒米と酵母を使って、それぞれの地酒「舞風」を手がけたそうです。

数種類を飲ませていただきましたが、すべての味が違っていることに驚きました。軽い口あたりの酒もあれば、割とどっしりした酒も。すっきり、フルーティー……。あまりのおいしさに、いつのまにか、「たしなむ」というよりは、グビグビと。

酒米と酵母が同じなら、あんまり味は変わらないのでは? そんな私の考えはあまりに浅はかでした。とてもいい勉強になりました。ありがとうございました。群馬の酒をもっと知って欲しい、地元をさらに盛り上げたいという思いも、舞風に込められているのだなと、私は感じました。

「組織」というものは、共通の目標、協働の意欲、コミュニケーションが良いことなどが満たされて、はじめてその効果を発揮できるそうです。聞いたときはあまりピンと来ませんでしたが、舞風を飲んで、ふに落ちました。
忘れないうちに、今夜も「復習」いたします。

(朝日新聞社前橋総局長 熊谷 潤)

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