地域で子どもたちを育て、子どもたちが地域をつくる(Vol.180)

地域の方によるご指導で収穫体験をしている子どもたち

子どもたちの”教育”と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか? 恐らく、多くの方は義務教育の「学校」が思い浮かぶでしょうか。それ以外ではどうでしょう? 子どもたちの教育は学校だけで大丈夫でしょうか?

もしも学校だけで大丈夫だとしたら、今の社会の課題はほとんど解決されているのではないでしょうか。だからこそ今必要なのは、「学校以外での教育」なのだと思います。教育基本法には、学校教育以外に「社会教育」や「家庭教育」などが記載されています。どちらも大切ですが、家庭教育に関与するのは難しいことであり、たとえどのような家庭で育ったとしても全員に与えられる教育を考えた結果、私は「社会教育」にたどり着きました。

社会教育の中でも、私が最も大切だと思っているのは地域との関わりです。私が活動する「ぐんま里山学校」では、子どもたちと散歩すると地域の皆さんがたくさん声をかけてくれます。山菜について教えてくれて一緒に収穫したり、柿の採り方を教えてくれて分けてもらったり、竹や稲の工作について教えてくれたり、「挨拶ができないやつはダメだ」と叱ってくれたり。四季を感じながら、地域の方々が教えてくれる様々な体験や言葉こそが、子どもたちにとって最も大切な教育だと考えています。そしていつの日か、地域で育った子どもたちが、教えてもらった事を胸にまた新たな地域をつくっていくことでしょう。

教育基本法第13条には、地域住民も教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するようにと謳われています。私もまた、自分自身の教育がこれでよいのか、日々自問自答しています。ぜひ、皆さんとも一緒に考えていけたら嬉しいです。

ぐんま里山学校=URL:https://school.satoyama.site

 

ぐんま里山学校 代表
落合 哲郎

【略歴】1991年生まれ、前橋育ち、高崎在住。農大二高、群馬大学教育学部を卒業後、国立赤城青少年交流の家での勤務などを経て、ぐんま里山学校を設立。NPO法人あかぎの森のようちえん副理事長。子どもたちが、社会で幸せに生き抜く力を身につけることを目的に日々奮闘中

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