県高校野球大会 18日開幕! 67校61チームが出場

前橋育英、夏の5連覇達成なるか
強豪校の戦力拮抗、新たな王者誕生か


いよいよ明日18日から、上毛新聞敷島球場を始め県内4会場で「2020年群馬県高等学校野球大会」(県高等学校野球連盟主催)が始まる。今大会は全国高校野球選手権群馬大会に代わる群馬独自のもので、連合2チームを含む67校61チームが出場。開会式は行われず、部員や一部の保護者のみ入場できるものの原則無観客試合となる。甲子園を目指す戦いではないが、球児たちにとっては最後の夏を飾る特別な舞台。試合が出来る喜びをかみしめながら、8月10日の決勝まで優勝を目指し熱い戦いを繰り広げる。

育英、健大、桐一、樹徳を軸に61チーム激突!

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、春季大会や選抜高等学校野球大会などの公式戦が中止になっただけでなく、4月6日の政府の緊急事態宣言により、学校は休校。選手たちは部活動も禁止され、野球ができない期間が続いた。

更に、今夏予定されていた第102回全国高等学校野球選手権大会と地方大会も中止に。その救済措置として各都道府県では独自大会の開催を決め、群馬県も県が策定した「社会経済活動再開に向けたガイドライン」の警戒度「1」の条件を満たしたため、6月20日に独自の代替試合の実施を決定した。

代替試合について、5年連続の夏の頂点を目指す前橋育英の荒井直樹監督は、「試合が出来るだけで、ありがたいです」と言い、「日常の当たり前に感謝することを、身をもって知ったと思います」と、選手たちの心の成長を感じていた。

また、秋季大会で優勝した桐生第一の今泉壮介監督も「感謝の気持ちを持って、それをしっかり力に変えようと言っています。群馬県は(1チーム)25人が背番号を付けられます。最後、3年生全員で出来るところに選手たちは喜びを感じています」と、代替試合に向け懸命に練習に取り組む球児の姿に目を細めた。

3月2日からの休校で部活も禁止となり、全体練習を再開したのは6月13日という前橋商業の住吉信篤監督は、公立校の対外試合が解禁となった7月11日、練習試合での選手たちを見て、「例年よりは状況は厳しいけれど、試合が出来る喜びを見せてくれるんじゃないかと思います」と期待を口にした。

春の県大会中止から、私立は約2カ月、公立校は約3カ月も練習から遠ざかっていたため、実戦経験も乏しい。何より対戦相手のチームの情報が少ない状況で、各校は厳しい戦いを強いられそうだ。

 

今月4日に行われた抽選会で、組合わせが決定。今春の関東地区大会県予選が取りやめとなったことから、昨秋の関東地区大会県予選でベスト8入りした学校にシード権が与えられた。各ブロックの戦況を分析する。

 

■桐生第一ブロック

宮下・蓼原の二枚看板 秋の覇者・桐一が順当か

宮下宝 桐生第一/3年
投手 左左

秋の覇者で、8月16日に甲子園高校野球交流試合に出場する桐一が優位。秋に見せた打撃力は健在。緩急をうまく使い、的を絞らせない投球が持ち味のエース宮下宝は下半身強化に取り組みさらに制球力が増している。二枚看板となる蓼原慎仁も成長し、夏の優勝を狙っている。「超攻撃的野球」を展開する館林や、昨夏に健大を下した高崎商大附も底力がある。

 

 

 

■前橋育英ブロック

県下No・1捕手の須永率いる前橋育英が優位

須永武志 前橋育英/3年 捕手 右右

夏に向けチーム力を上げてきた前橋育英が、このブロックでは抜きんでた存在。今夏エースナンバーをつける信澤太陽は緩急のある投球で三振が取れる投手。武藤翔也、大河原康生、菊池樂も更に成長。粒揃いの投手陣をリードするのは、昨夏の優勝に貢献した主将・須永武志。打撃力にも磨きをかけ「切れ目のない打線」を引っ張り、5連覇を目指す。伊勢崎清明、市立太田、高崎商、利根商も虎視眈々と上位を狙う。

 

 

■健大ブロック

5年ぶりの優勝目指す健大が総合力で抜きんでた存在

下慎之介 健大高崎/3年 投手 左左

プロ注目の左腕・下慎之介を擁する健大が大本命。武器のスライダーを生かすために磨いたストレートも143キロまで球速がアップし、「群馬でしっかりテッペン取って、甲子園での交流試合に臨みたい」と下。プロ注目の右腕・橋本拳汰、U―15日本代表の朝井優太、長谷川秀と投手陣の出来が、5年ぶりの優勝の鍵を握りそうだ。安中総合のエース・清水惇にも注目。
 

 

■樹徳ブロック

大混戦の注目ブロック 樹徳か、農二か、前商か

大関空我 樹徳/3年 遊撃手 右右

秋3位の樹徳は、俊足で長打力もある大関空我を中心とした攻撃力が魅力。「大会になると実力を出せない」課題を克服した大関が勝利の鍵を握る。エース橋本優雅の成長が著しい前商のほか、140キロの直球とカーブが武器の八木遼太と長打力のある斎藤快太を擁する前橋、走攻守三拍子揃った伊藤琉偉を始め戦力の揃う農二のほか、前橋工、明和県央など混戦模様。
 

 

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