勢多農高 養豚部おもてなしコンテストに挑戦!

「投票お願いします!」

前橋の県立勢多農林高校養豚部2年生の生徒4人=写真左=が、「GAP食材を使ったおもてなしコンテスト」(内閣官房主催)にエントリー。現在、WEBによる投票を呼びかけている。

生徒らが育てた三元豚&地場産野菜たっぷり「冷しゃぶどん」

同コンテストは、全国の農業高校などが農業生産工程管理の認証取得をした農場などで生産する食材(GAP食材)を使い、東京五輪のホストタウンの相手国選手らをもてなす企画。安全な農畜産物生産に取り組む勢多農は、コロンビアのパラリンピック陸上選手を受け入れる前橋市とタッグを組み参加している。

生徒らは先月、事前合宿で前橋市を訪れていた選手らが滞在拠点としていた、ホテル1—2—3前橋マーキュリーで、開発メニュー「勢多農産・冷しゃぶうどん 夏野菜をそえて」を提供した。メインの冷しゃぶは、養豚部の生徒らが飼育・出荷後に買い戻した三元豚を使用。トッピングのゆで卵も、自校で育てる鶏の卵。試作では半熟にしたが、同ホテルのシェフの指導で衛生的な観点から固ゆでにした。付け合わせのキュウリとトマトは収穫期でなかったため自校栽培のものは諦め、県立農林大学校から提供を受け、盛り付けた。主食は地産地消を意識して県産小麦を使ったうどんを使用したという。

ランチ会では選手らに「いただきます」「ごちそうさま」など日本の食事の挨拶を教えたり、一緒に写真を撮ったりして交流を深めた。養豚部の吉田輝さんは「コロンビアについてあまり知らなかったが、これを機に知ることができた。日本の好きなアニメの話もできて親近感がわいた」と振り返る。

同校で農場長を務める石井樹一朗教諭「本校はGAP認証農場を持ち、今春には全国の高校で初めて農場HACCPを取得。2つの認証をもらっているのは珍しい」と自負する。同部・酒井双葉さんは「日頃の授業とリンクして、実践しながらコンテストに臨めて勉強になった」と満足そう。

川隅菜月副部長は「4人とも料理経験なしでもたついた場面もあったが、本番では選手に『美味しい』と完食してもらえて嬉しかった。生産、仕入れ、調理、配膳まで、自分たちの育てた豚で最高のおもてなしができた」とほほ笑む。

WEB投票(1月15日まで、ひとり1日1回)と、その場で紙に書く現地投票の結果を踏まえコンテスト審査委員会(服部幸應委員長)が上位8チームを選出する。

なお、4人は1月10日午後4時から前橋市役所で現地投票を呼びかけるという。同部・牧野陽南さんは「多くの方に応援してもらえたら」と期待する。 (上原道子)

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