高崎の新聞店ミニコミ連載エッセイを一冊に

からウロコの群馬ストーリー

中島克幸著「上州・あんな話こんな話」

朝日新聞の記者が、歴史や文化、人物などを「群馬愛」に満ちた視点で掘り起こし綴ったエッセイ集「上州・あんな話こんな話」(言視舎)が、9月に出版された。著者の中島克幸さん(62)が朝日新聞販売店のミニコミ紙に連載していたコラムを書籍化したもので、「御巣鷹山の麓の『村長さん』―旧黒沢家住宅」「モンペで戦った初の女性県議―町田とく」など、地元の人も「目からウロコ」の全65編を収録する。

朝日新聞東京本社校閲部や太田支局などを歴任した中島さんは、現在も同本社に勤務。群馬で女性消防士として働く妻との結婚を機に高崎市に居を構え、2006年11月から、新聞店「橋本新聞販売」(高崎・橋本達也社長)のミニコミ紙「はしもとランド」で、コラム「上州をゆく」を連載している。記者経験を生かして県内外を取材、資料にもしっかりとあたり史実を確かめながら執筆を続ける。群響を取り上げた章では、初代事務局長を務めた丸山勝広さんの「日本が平和を訴えるには、文化をおいてない」という言葉を紹介。「日本の国際貢献を考えるとき大変参考になった」と執筆を振り返る。また「仕事をしながら家事も担ってくれた妻の存在が励みになった」と語る。

県内全域を網羅し、さまざまなテーマを取り上げている同コラムは毎回好評。同新聞店の丸岡堅二さん(64)は「読者からも『群馬にもこんなドラマがあったのか』とか『長年に住んでいるが、知らない歴史に興味が沸いた』などとお便りをもらいます」と人気ぶりを話す。中島さんは、「群馬県民はもっと郷土の魅力を外に発信しよう」と呼びかける。 213㌻。968円(税込)。書店や各通販サイトで販売中。

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