生き物たちの願いを寓話に「ぎんちゃんの生きとし生けるものとの対話」長野原町出身・黒沢賢成さん

棲みにくくなったよ。人間は邪魔しないでおくれ

「自然をこれ以上奪わないで…」生き物たちの切なる願いを寓話にした、長野原町出身の黒沢賢成さんの著書「ぎんちゃんの生きとし生けるものとの対話」(幻冬舎ルネッサンス新社)が6月に出版された。自然に生きるたくさんの命の嘆きが、主人公との対話を通して描かれている。

主人公のぎんちゃんは、定年退職後、都市部で畑仕事に精を出す中で、カラスやカエル、アリなど様々な生き物たちと出会い、会話をしながら交流を深める。ある時、都市開発の手が及び、ぎんちゃんと生き物たちは田舎へ引っ越すことを決める―。限られた自然の中で、生きとし生けるものすべてが共に生きていくためにはどうすればよいのか、共生することの大切さと人生観などを教えてくれる一冊。

著者の黒沢さんは、自身も定年退職後に農業を始め、人生を振り返りながら本書を書いた。「生まれ育った群馬の自然が、この本にある里山の生活のような環境であり続けることを願っています」と話す。1300円(税別)。190㌻。同社編集部(03・5411・7188)

掲載内容のコピーはできません。