群馬の さくらんぼ狩り

🍒旬の味 産地で楽しもう

9日に市内のあざみ園で行われた今シーズンの開園式で、さくらんぼ狩りを楽しむ参加者たち

赤くて小さな初夏の味覚、サクランボのシーズンが到来し、県内では観光農園が次々にオープンしている。北毛を中心に栽培され、6月前後に収穫期を迎える。旬は約1カ月。今こそ、群馬のサクランボを産地で味わってみては?     (上原道子)

全国8位の収穫量

サクランボは、バラ科サクラ属の果樹「オウトウ(桜桃)」の果実。農林水産統計(2020年)によると日本では25道府県で栽培。山形が全国の収穫量の4分の3を占める。2位は北海道、3位は山梨で、群馬は8位だ。
県内で収穫量が多い市町村は、沼田、みなかみ、渋川の順(県蚕糸園芸課調べ)。県産のごく一部は首都圏に出荷されたり、高級果物店で販売されているというが、多くが摘み取りや地方発送を主体とした産地直売形式。近所のスーパーなどではなかなかお目にかかれないため、時機を逃さぬよう、現地に足を運びたい。

豊作の沼田で順次開園

県内で最も生産面積が広い利根沼田地域には、31人が所属する沼田さくらんぼ組合(阿部重幸組合長)がある。同組合は今月9日、市内のあざみ園(同市沼須町)で今シーズンの開園式を開いた。
各園は、実り具合に合わせて順次開園する。阿部組合長は、「昨年は凍霜害があり不作だったが、今年はまずまずの豊作です」と話す。

式には市内の利南幼稚園の園児11人が参加し、サクランボ狩りを楽しんだ。

現在は、ハート形の高砂や、アメリカンチェリーのような濃い色あいの紅さやか、大粒の正光錦などの早生品種が収穫時。今月下旬にかけて高級品種で″赤い宝石〟とも呼ばれる佐藤錦などが旬を迎える。7月上旬頃まで多くの園で、30分食べ放題の収穫体験ができる。

利根沼田地域の農園の問い合わせは沼田市観光協会0278・25・8555)へ。

【県内で栽培している主な品種】
●紅さやか

日本の品種「佐藤錦」とアメリカンチェリーの「セネカ」とを交配育成した山形県のオリジナル品種。早生で果肉は赤く果汁が多い。甘みはやや多く、酸味が少ない。
●佐藤錦

「黄玉」と「ナポレオン」の掛け合わせ。山形の佐藤栄助氏が大正11年に育成した、最高品質の品種。果皮はルビーのように鮮やかな紅色で、果肉は乳白色。甘みも果汁もたっぷりで、酸味とのバランスも良い。6月中旬~7月上旬。
●紅秀峰(べにしゅうほう)

「佐藤錦」と「天香錦」を交配した品種で、形はやや横に長く大粒。果肉は硬く締まり、酸味が少ない。果汁たっぷりで甘みが強く濃厚な味。佐藤錦とともに人気の高い品種の一つ。7月上旬~。
【その他】
●正光錦 果皮は黄色赤斑で大粒。果汁が多く、甘い早生種。
●ナポレオン 粒がやや大きめでハート形。果肉はクリーム色。果汁が豊富で濃厚な味わい。6月下旬~。

■観光農園の情報はここから
県の新しいWebサイト「味覚あふれるぐんまのくだもの園 」(http://www.aic.pref.gunma.jp/kajyuen/)では、地域や品目を選択するとフルーツ狩りや地方発送可能な農園が簡単に検索できる。

🍒もぎ取りできる農園🍒
サクランボ狩りのできる県内オススメの3園を紹介。
■沼田「まこちゃん園」

15日に開園した同園では、佐藤錦を中心に8品種を栽培。1998年に登録された新しい品種「山形美人」=写真=などが順次食べ頃に。30分食べ放題で一般1800円、70歳以上は1500円、小学生1300円、幼児800円。予約不要。贈答用も販売。同園(090・8300・3321)。

■みなかみ「モギトーレ」

みなかみフルーツランドモギトーレでは、今日17日からサクランボ狩りを開始。7月上旬まで正光錦、佐藤錦、紅秀峰が順次摘み取れる。「さくらんぼのショートケーキ」(税込500円)=写真=を販売中。7月にはサクランボのタルトも登場。直売所では持ち帰り用も販売。たくみの里総合案内所豊楽館(0278・64・2210)。
※みなかみ地域でのさくらんぼ狩りの問い合わせは同町観光協会(0278・62・0401)へ。

■昭和「桜桃園」

明日18日開園の桜桃園=写真=には広大な敷地に10種以上230本のサクランボが植えられている。昭和インター近くの利根沼田望郷ライン沿いにあり周囲の眺めも抜群。一般1600円、4歳~小学2年1000円。同園(090・2764・4482)。

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