朔太郎没後80年 全国各地で展示

マンドリンを持つ朔太郎。高校を中退して帰京している頃1911(明治44)~13(大正2)年頃、26~30歳頃。写真提供「前橋文学館」

前橋市出身で、鮮烈なリズムとスタイルの口語自由詩を生み出し、「絶望」や「孤独」といった独特な世界観を持つ詩人・萩原朔太郎(1896~1942)。没後80年を記念し、北海道から九州まで全国52の文学館などによる共同の企画展「萩原朔太郎大全2022」が今月から各館で始まった。同展は朔太郎の孫で演出家でもある、前橋文学館(前橋市千代田町)の萩原朔美館長(75)らが呼びかけ実現した。同文学館では、「そこに何をみたか 萩原朔太郎58年の軌跡 萩原朔太郎研究会歴代会長展」と題して歴代会長が「どのように朔太郎を捉えたか」を鑑賞することができる。初代会長の伊藤新吉さんに始まり、西脇順三郎さん、那珂太郎さん、三浦雅士さん、現会長の松浦寿輝さんまで5人の会長が著した資料から朔太郎観を味わえる。ほかにも、研究会発足の趣意書や生誕80年などの資料と共に、各会長の著書などを展示している。来年1月15日まで。

萩原館長は、「全国で大全が始まりました。それぞれ特色のある展示になっています。当館では、研究会の歴代会長が朔太郎に対する思いや考え方を読み取れると思います。5人の会長の、生き生きとした言葉に出会いにきてほしい」と呼び掛ける。観覧料一般500円、高校生以下無料(県民の日28日と、朔太郎生誕日11月1日は無料)。休館日は水曜と年末年始。同館( 027-235-8011 )。

熱心に解説する前橋文学館の萩原朔美館長
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