前橋BOOK FESってなあに?  本でみんなが元気になる初開催のおまつり

中心市街地が本、本、本!
「売り買い」ではなく「やり取り」を楽しもう  29、30日

本のやり取りのイメージイラスト 写真提供:前橋BOOK FES実行委員会

「本で元気になろう」をテーマにした参加型イベント「前橋BOOK FES(以下、ブックフェス)」(主催・同実行委員会、実行委員長・山本龍前橋市長)が今月29、30日、前橋の中心市街地で初めて開かれる(雨天決行)。

エグゼクティブプロデューサーを務める前橋市出身のコピーライターで、人気ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を運営する「ほぼ日」社長の糸井重里さん(73)が、「家の中に眠っている本を集めて、新しい読み手につなごう」と発案したことから始まった。本と人、人と人が出会い交流できる全国でも例のない「おまつり」の開催まであと1週間。その内容と魅力について紹介する。  (谷 桂)

※内容は変更になることがあります。参加パスポートや最新の情報は、下記のQRまたはHP(https://www.maebashibookfes.jp/)へ。

「本」を通じた交流を

ブックフェスは29、30日の2日間。メインは、中央通りアーケードで行われる「本のやり取り」(午前10~午後5時)だ。

全国に呼びかけ事前に寄贈してもらった本を当日スタッフがブースに並べるほか、一般出展者によるブースも展開される(ブース出展者の申し込みは終了)。

参加者は「新しい読み手」として、自由に手に取ってページをめくったり、参加者同士で会話を楽しんだりしながら気に入った本を何冊でも、持ち帰ったり、持参した本とトレードすることができる。参加には、事前に購入する「参加パスポート」(2日間共通・1000円、小学生以下無料)が必要だが、当日、インフォメーションでも購入できる(現金対応あり)。

思いを込めて寄贈した本を介して本の話題を共有できる点がイベントの魅力のひとつ。ブックフェスではエグゼクティブプロデューサーを務める糸井さんは、「全国から初めて前橋に遊びに来る人もいるので、温かく迎えたい。本もまちも元気になるようなイベントにできればと思います」と意気込みを語る。

メイン会場の中央通り
写真提供:前橋BOOK FES実行委員会

糸井さんの長年の構想が結実

糸井重里さん
写真提供:前橋BOOK FES実行委員会

糸井さんは、20~30年前から「本は人にとって、とても特別なもの。でも、その愛すべき本が家の中で眠った”知的在庫”として溜まったままになっている。何とかできないか」、「本と人、人と人とをつなぐイベントをしたい」と構想していた。糸井さんの長年の思いを聞き、前橋の街づくりに熱心に取り組んでいるメガネチェーン「ジンズホールディングズ」の田中仁社長は即座に、「それ、前橋でやりましょう!」と市に提案したところからブックフェスは始動。田中社長は、今回エグゼクティブディレクターを務めている。

運営資金について、田中社長は、「継続して開催したいので、行政の補助金などを主な財源にするのではなく、自分たちが楽しむ場所を自分たちでつくるというサステナブルなものにしたい」とクラウドファンディングを実施。全国の企業などが、イベントを応援したいと支援者にお返しするリターンを申し出たことも後押しし、目標金額1千万円を大きく上回る総額約1361万円が集まった。

読んでない「本」を寄贈して! 市内に本のポストも設置

現在、同フェス実行委では、ブックフェスでメインとなる「本」の寄贈を呼び掛けている。本は、ハードカバーや文庫本、絵本、漫画本、百科事典など種類は問わないが、大きく破損、汚損した本や公序良俗に反する本などは対象外。郵送などで所定の場所に送る方法(26日必着)に加え、先週から「前橋プラザ元気21」1階や市内15の支所・サービスセンターに、「本のポスト」=写真下=が設置され、手軽に本を寄贈できるようになった(元気21は、27日まで、その他は、24日まで受付)。担当者は「初めての開催とあって、まだ知らない人も多い。たくさんの本をお待ちしています」と呼び掛ける。

本のポスト 写真提供:前橋BOOK FES実行委員会

そのほかのイベントを会場ごとに紹介

前橋プラザ元気21(同市本町2丁目)
古舘伊知郎さん、みうらじゅんさんも出演
「本やことば」をテーマにトークショー

ホールでは「本とことば」をテーマとする6つの「トークショー」のほか、展示やワークショップなどが行われる。

29日午後1時~、個性ある実況や司会などで人気を博すフリーアナウンサーの古舘伊知郎さんが糸井さんとトーク。30日午後1時~は、ブックフェススペシャルサポーターを務めるみうらじゅんさんと糸井さんがトークを展開する。イラストレーター、ミュージシャンなど多方面で活躍するみうらさんは、1997年新語・流行語大賞のトップテンに入った「マイブーム」の生みの親。

このほか、29日午前11時から、「言語化力」の著者、三浦崇宏さんとプロデューサーの龍崎翔子さん。午後3時からは、建築家の平田晃久さんとまえばしまちなかエージェンシーの橋本薫さん。30日午前11時からは、データサイエンスの研究者宮田裕章さんと建築家の藤本壮介さん。午後3時半から、書店店主でキャラクタープロデューサーの夢眠ねむ(ゆめみねむ)さんと糸井さんがトーク。それぞれ6組のトークショーがブックフェスを盛り上げる。(無料。席数や申し込みは未定)。

一方、ホワイエでは両日とも、クラウドファンディングのリターンとして用意された著名人の寄贈本「あの人の本」を展示。みうらさんの百数点ある出版物をまとめて見られるファン必見の「みうらじゅん出版物特別展示」などが行われる(午前10~午後5時まで)。このほか、ブックカバーを作るワークショップや、糸井さんが訳を担当している人気絵本「ミッケ!」が楽しめるコーナーも。

中央イベント広場(同市千代田町2丁目)
つじあやのさん音楽ライブ(29日)&ヨシタケシンスケさんグッズ販売

スペシャルサポーターのつじあやのさん
写真提供:前橋BOOK FES実行委員会

中央通りに面したイベント広場では、ブックフェススペシャルサポーターでのつじあやのさん=写真が、29日午後4時15分から弾き語りライブを行う(無料)。つじさんは、スタジオジブリ映画「猫の恩返し」の主題歌「風になる」の ヒットでも知られるシンガーソングライター。

また、同会場ではコミカルな公式イラストを描く人気作家ヨシタケシンスケさんのイラスト入りトートバッグや缶バッジも販売。

公式イラスト:ヨシタケシンスケ
写真提供:前橋BOOK FES実行委員会

●前橋めぶくフェス(前橋めぶくフェス実行委員会主催)=中央イベント広場で両日午前10~午後5時。キッチンカーの出店、音楽ライブなど。HP: https://www.mmfes.com/2022-mmf

●マチスタントの仲間マーケット(前橋市産業経済部にぎわい商業課商業振興係 マチスタント主催)=前橋文学館そばの朔太郎橋から諏訪橋エリアで両日午前10時~午後4時。飲食や雑貨など出店。朝日ぐんまもオリジナルてぬぐいを販売。インスタグラム:@machistant
●River to River川のほとりのアートフェス(市内10カ所)=11月13日までの金土日祝日(曜日や時間は会場により異なる)に、アート作品を展示。ギャラリーya-gins主催。一般500円他。
HP: https://rivertoriver2022.ya-gins.net/
●太陽の前橋プロジェクト「極光行脚」(広瀬川河畔)=参照:https://www.asahigunma.com/?p=89997&preview=true

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