人 社会問題を「笑い」で解決したい

株式会社笑い魂代表取締役
左右田 悦子 さん (49)

ラフターヨガの講座で、参加者と「イエーイ!」と満面の笑みを見せるのが、「株式会社笑い魂」(高崎市)の代表取締役・左右田悦子さん(49)。「心の問題や学校教育、親と子の家庭の問題、仕事や働き方など複雑な社会問題を『笑い』を通して解決したい」と笑顔を見せる。

高崎市出身、20歳でファッションモデルにスカウトされる。結婚、子育てなど、「順風満帆な人生」のように思われる左右田さんだったが、本当は、パニック障害や過敏性腸症候群を発症する日々。不定期な時間に入るモデルの仕事とワンオペ育児によって、精神的に不安定で身体を壊していた。

その後、家族で高崎に帰郷し、祖母の介護をきっかけに、訪問介護の仕事に取り組む。ある日、テレビで、笑いと深呼吸を組み合わせた健康体操「ラフターヨガ」を見て「疲れ切った自身や利用者さんに必要なのはこれだ 」と直感。すぐに、「ラフターヨガリーダー資格」を取得し、市内の公民館で活動を始めると、評判を聞き、県外からも参加者が訪れた。年間250講座を行い、27000人が参加する人気講師に。ストレッチボールを使った骨盤底筋群トレーニングや子ども向けの体幹トレーニング、認知症予防など様々な活動を通して、「腹式呼吸を伴って笑うことは、身近な最強ツール」と自身も再認識した。現在も、同市中川公民館で続いているクラブ活動の講座では、がん患者も笑いヨガに参加していることから、闘病者も支援。「レクリエーションのもっと先に行きたい」という思いもあり、21年には、多くの人に広めるため「笑い脳ですべてうまくいく!」を書籍化した。

ところが、フル稼働だった活動は、コロナ禍になってぱったり。参加者の中には、仕事が上手く行かず、元気がない人も出てきた。左右田さんは、「コロナで経済が低迷し、仕事の問題も抱えると、心の底から笑えない」と気付いたという。昨年、個人事業主から、株式会社に組織を変更し、新たにフリーランスや中小企業をとことん応援するPRプロデューサーとして活動をスタートした。笑い先生として、「健康、仕事、人間関係などの悩みがあっても、笑顔で生き抜く力は誰でもあります。誰もが笑い合える社会を目指したい」と目を輝かせた。  (谷 桂)

そうだ・えつこ/1973年高崎市生まれ。ファッションモデルとして活躍した後、祖母の介護を機に訪問介護の仕事に取り組む。2012年にラフターヨガリーダー資格を取得し、「笑い魂」講座や講演活動をスタート。現在、「株式会社笑い魂」代表取締役。一般社団法人みんなの認知症予防ネット群馬県高崎支部代表。高崎市社会教育講師。

 

仕事も育児も病気も笑えばもっとラクになる」と語る左右田さん

 

公民館で子どもから高齢者まで指導
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