下仁田の三輪途道さん  前橋 画廊翠巒であす5日から個展

下仁田の彫刻家・三輪途道さん(1966年~)の個展「存在する者」が明日5日から、前橋の画廊翠巒で開催される。新作を中心に、高さ1㍍の大作から小品まで約30点が並ぶ。13日まで。

東京芸大大学院修了後、彫刻家、仏師として活躍していた三輪さんは30代で網膜色素変性症を患い今は全盲状態に。彫刻刀で木が彫れなくなったが、代わりに脱乾漆技法を用いて創作を続けている。昨秋、デザイナーや編集者らと視覚障がい者を支援する一般社団法人「メノキ」を立ち上げ、代表として絵本発行や展覧会など様々な事業を企画。先月は前橋のヤマトギャラリーホールで個展、7日からは同ホールでグループ展を開くなど精力的に制作活動にも取り組む。また、先月末には第60回県文学賞(随筆部門)を受賞、多方面で活躍中だ。

今展では仏像や天狗、犬、ジャガイモ、煎餅、シジミ、鍋などをモチーフにした立体約20点と平面数点を発表。同展担当者は、「視覚的写実力を失った今、作家が表現しようとする、見えないものの本質を感じ取って欲しい」と話す。入場無料。同画廊( 027-223-6312 )。

「存在する者」(2022年、脱乾漆)
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