昔話風にコロナ禍を表現

群大生6人が書籍を製作
群馬大学HCIラボ

群馬大学社会情報学部4年生の6人が、コロナに翻弄された経験を現代版昔話にして、著した書籍が今月、完成した。本のタイトルは「めでたし めでたし って言いたい!」。生活の変化を「ももたろう」「かぐやひめ」などの昔話をベースにすることで、柔らかく表現。本のカバーにも、マスクをした主人公が描かれ、カバーを外すとマスクなしの顔になるなど、手に取った人が、笑顔になるしかけが随所にある。

本の表紙には、学生が描いた主人公のマスク姿のイラスト。カバーを外したときの楽しみも工夫

書籍は、同大情報学部HCI(ヒューマンコンピューターインタラクション)ラボ研究室の柴田博仁教授が、書籍製作の全工程を学生の手で行う「書籍プロジェクト」の一環として立ち上げた。編集部の学生たちは、まず、「自分たちにしか書けないもの」を考えて企画。入学した冬から始まったコロナ禍をテーマに。家族や友人から聞き取ったエピソードを、毎週、全員で共有し、イラストも自分たちで描きながら12編を組み立て、1年半をかけて完成させた。編集長の小堀彩葉さん(21)は、「完成してとてもうれしい。コロナの変化を反映しながらも、自分たちらしさにこだわった」と振り返った。挿絵と文章を両方担当した副編集長の小沼聖奈さん(22)は、「かわいいイラストが多い中、リアルなテイストのイラストで自分らしさを出せた。メンバーで協力できて良かった」と共同のものづくりを喜んだ。書籍は、今後出版販売も検討する。   (谷 桂)

書籍製作の全工程を自分たちの手で行った群馬大学HCIラボ編集部の第1期生6人と教授ら
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